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» 2015年10月02日 16時30分 公開

開発秘話・唯一無二のオリジナルを目指して 3000万ユーザー超え「モンスト」に流れるSNSの思想 (2/3)

[山崎春奈,ITmedia]

 リリース当日、社員にいち早く知らせたところ、新たなユーザーを招待するペースが想定以上に速かった。じわじわと輪が広がっていく様子に「SNSが広がっていく瞬間に似ている」と感じたと木村さんは振り返る。「予想していた中でも“大勝利”の曲線」(木村さん)でユーザーを増やし、今も右肩上がりで成長を続けている。

photo 利用者数推移

 現在、海外では北米、台湾・香港・マカオ、韓国で各国版を配信。現地の民俗的な神様をモチーフにしたモンスターなどでローカライズし、ユーザー数拡大以上に。まずは友人と一緒に遊んでもらう習慣を付けることに力を入れる。今後、ヨーロッパや東南アジアにも広げ、海外展開はさらに攻勢をかけていく。

 モンストの好調で、ミクシィの2015年4〜6月期の連結決算は売上高が500億円(前年同期比約3.9倍)、営業益は243億円(同5.2倍)と大幅な増収増益を記録。収益の大半はゲームが占めているが、木村さんは「サービス開発のコアにある思想はずっと変わっていない」と話す。

 「ミッションはぶれずに、友達と楽しめる場作り。実際、モンストの開発陣やユーザーサポートのほとんどはmixiの運用に関わっていたメンバーで、コミュニケーションをどう促進するかを考える意味では同じ」(木村さん)

ゲームクリエイターの視点でアニメ作り

 ゲームにとどまらず、10月10日にはYouTubeでオリジナルアニメの配信をスタート。中高生をメインターゲットに、ゲームでは伝えきれないそれぞれのキャラクターの設定や舞台背景を深堀りし、モンストの世界観を広げ、伝えるのが目的だ。

photo アニメキービジュアル

 テレビではなくYouTubeを配信メディアに選んだ理由は「今の中学生が1番多く触れるのはこっちだろうと」。1話約7分程度と短めの尺で、スマートフォン上でアプリと行き来しながら見てもらうことを想定する。日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語などの多言語で同時配信するのもWeb配信ならではだ。

 制作は14年秋ごろにスタートし「アニメ業界の人には『あと1年? 本気ですか?』と驚かれた」と振り返る。スタッフ間で共有していたゲームの世界観をベースにゼロから脚本を練り上げた。

 「428〜封鎖された渋谷で〜」「タイムトラベラーズ」などを手掛けるゲームクリエイター・イシイジロウさんをストーリー・プロジェクト構成に迎え、木村さんを含むメインの開発陣が関わる「ゲームクリエイターの視点で作ったアニメ」。ただストーリーを追いかけるだけでなく、インタラクションや謎解き要素のあるアニメに仕上がっているという。「配信の次の日に学校の教室で『あれ分かった?』という会話が生まれてほしい。ゲームを知らなくてもアニメ作品単体としても楽しんでもらえるはず」(木村さん)。

 テレビ放送と異なり、クール制でない「運営型のアニメ」なのも特徴だ。現時点で終わりは定めず、毎週土曜日に更新していく。他コンテンツとのコラボも取り入れ、“国民的IP”となるべく認知を広げる新たな軸とできればとする。

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