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開発秘話・唯一無二のオリジナルを目指して 3000万ユーザー超え「モンスト」に流れるSNSの思想(3/3 ページ)

» 2015年10月02日 16時30分 公開
[山崎春奈ITmedia]
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「XFLAG」スタジオ設立 目指すは「バトルゲームNO.1ブランド」

photo XFLAG

 8月にはこれまでのエンターテインメント事業をコアとした「XFLAG」(エックスフラッグ)スタジオを設立した。メンバーは社内外約300人に上り、「みんなでわいわい遊べる」バトルコンテンツのスマホゲーム、映像作品に注力する。12月にはニンテンドー3DS版の発売が決まっており、年度内にはモンストに続く新たなタイトルを発表予定だ。

 別ブランドとして展開する理由は「ブランドカラーの違い」。「ミクシィが柔らかいスイーツのような雰囲気だとしたら、XFLAGはガッツリ男っぽく、ラーメンやカレーのようなイメージ」(木村さん)とし、「団結、挑戦、熱中」をテーマに王道少年漫画のような作品を生み出していく。

 キャッチコピーの「ケタハズレな冒険を。」はユーザーだけでなく、開発者自身にも向けた言葉。「ユーザーに飽きずに楽しんでもらうためにはまず自分たちが新しいチャレンジをし続けなくてはいけない」と、既存ユーザーの期待や要望に応えつつ、大胆な革新にも取り組む姿勢を改めて意識する。

唯一無二のオリジナルへ

 サービス規模が拡大し、コンテンツとしての影響力や集客力も高まっている。8月2日に開催したリアルイベント「モンストフェスティバル」(千葉・幕張メッセ)には約5万人が来場したが、想定以上の人数で会場内に入れない人も多く、炎天下の行列により11人が熱中症などで救急搬送される事態に陥った。

 「会場内では多くの笑顔が見られたが、収容人数が足りず、運営上の不備で迷惑をかけてしまったことを深く反省している」と木村さんは話す。事前抽選ではないイベントは初めてで、「親子連れの多さなども鑑み、今後の開催では安全に楽しんでいただけるイベントに改善していきたい」と言う。

 オフラインのイベントにこだわるのは、ゲーム自体の思想と同じく「同じコンテンツを好きな人同士で集まる“お祭り”の楽しさを提供したいから」。普段顔を見る機会のないユーザー、関連企業ともコミュニケーションする機会として、今後も何らかの形で行っていきたいという。

photo オフィスに並ぶキャラクターグッズ

 開発陣に届くファンからの手紙やイラストはメンバー全員で回覧している。ユーザーが常に目の前にいるわけではないからこそ、顔を思い浮かべながら制作する活力だ。「好きなキャラクターを教えてくれたり、一生懸命イラストを描いてくれたり……小学生から『一生やめないでください』と手紙をもらうと、そうだな、やめられないな、と思います」(木村さん)。

 「モンストが目指すのは『モンストになること』。家族や友達とわいわい楽しむ輪の中心にあるようなものを作りたいというのが開発を始めた時からずっと変わらないコンセプト。何かの真似や代わりではなく、今までなかったオリジナルとして長く愛されるよう、これからも仕掛けていきたい」(木村さん)。

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