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「人生を楽しくする方法の1つがプログラミング」──17歳でドワンゴ入社のエンジニアと“現場目線”で学ぶ「プロハイハイ」(1/2 ページ)

» 2015年12月14日 12時25分 公開
[ITmedia]

 カドカワが2016年4月に開校予定の通信制高校「N高等学校」の提携通学コースとして、初心者向けのプログラミング専門スクール「バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクール」、略して「プロハイハイ」を開校する。「ハイハイ(初心者)でも1年間で即戦力のプログラマになれる」がうたい文句だ。

photo バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクール

 カドカワの川上量生社長は「これからはIT企業に限らず、プログラマが求められる時代」と強調。「プログラミングができれば、学歴も年齢も関係ない。高校2年生でWeb企業に就職する――そんな冗談のような話が現実になる」と期待する。

 同スクールで専任講師を務める草野翔さんは、2009年に17歳で高校を中退して、熊本県から単身上京し、ドワンゴに入社したという経歴の持ち主だ。入社後はニコニコ動画やニコニコ静画といった人気サービスを開発する第一線で活躍してきた。

 開校に伴い、自らN高等学校に「生徒」として入学する傍ら、プロハイハイの専任講師も務める。カリキュラムの作成、教科書の執筆も、草野さん自ら担当。若くして現場に飛び込み、技術力を培ってきた自身の“思い”が詰め込まれた授業内容になっている。

 プロハイハイでは、バンタン高等学院 東京校(東京・中目黒)で週5日の集中授業を通してプログラミングを学ぶ。講義は課題制作が中心で、30人の少人数制。年齢は関係なく、N高等学校の生徒であれば誰でも応募できる。受講費は150万円(PC購買費、教材費が別途必要)。

 クックパッド、はてな、LINE、ドワンゴへのインターンシップも提供するほか、就職に有利とされる「基本情報処理技術者」の資格も取得できるなど、「現実に働いている姿」をイメージした実践的な内容だ。


17歳でドワンゴ入社 現場で知った“面白さ”

photo 専任講師を務める草野翔さん

 草野さんは、17歳でドワンゴに入社したきっかけを「必要に迫られたから」と笑いながら話す。上京後、友人とルームシェアをしながらわずかな貯金を切り崩し、いよいよ生活が立ちゆかなくなった時に、偶然働き始めたのがドワンゴだったという。

 1992年生まれの草野さんがプログラミングを始めたのは中学生のころ。「人生で一番やりこんだ」という「メタルギアソリッド2」を始め、ゲームに熱中する日々を過ごしていたが、やりたいゲームを片端から買い集めるわけにもいかず、「自分で作ったらタダでできるのでは!?」という発想になった――と振り返る。「最初はゲームを作り始めたはずが、もっと使いやすいゲーム開発ツールがほしくなって、もっと使いやすいエディタがほしくなって、もっと使いやすいプログラミング言語がほしくなって……」と、手を広げていったという。

 働き始めた当初も「得意だという意識もなく、とにかくできることをやらなくては、という経済的な理由が大きかった」。プログラミングの面白さに気付いたのは実際の開発現場で真剣に働く経験を得てからだという。

 「正直言って、コードを書く作業そのものは根本的に面白くないと思う(笑)。モノが動いた時はうれしいし達成感もあるが、そこまでは地味な積み重ね。それでも、真剣に取り組んでいくと『俺、こんなに立派なコード書けるんだ』とプログラミングそのものが面白くなる瞬間がある」(草野さん)

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