米Googleが、AndroidアプリストアGoogle Playで公開された広告ブロックアプリを公開後に削除したと、米VentureBeatをはじめとする複数のメディアが報じた。
削除されたのは、米アプリメーカーRocketshipが韓国Samsung Electronicsとの協力で開発した、Samsung製Webブラウザ「Samsung Internet」のコンテンツブロック機能を有効にするための拡張機能「Adblock Fast」。Samsungは2月1日に一部のGalaxyシリーズにOTAで配布したアップデートで、Samsung Internetに広告ブロック機能を追加した。この機能は米AppleのiOS 9の「コンテンツブロッカー」と同様に、有効にするには拡張機能が必要だ。Adblock Fastは公開後5万本以上ダウンロードされた。
Rocketshipのブライアン・ケニシュCEOはVentureBeatに対し、Googleがメールでの通知とともに一方的にアプリを削除したと語った。VentureBeatに転載されたGoogleからのメールには、このアプリが「Google Playデベロッパー販売/配布契約書」の4.4項──デベロッパーは、ストアに関して、第三者(Android ユーザー、Google、およびあらゆる携帯電話会社を含むが、これらに限定されない)の端末、サーバー、ネットワーク、またはその他の財産またはサービスへの妨害、中断、損害、または許可されていない態様でのアクセスとなる行為(そのような行為に該当する対象製品の開発または販売/配布を含む)に関与しないことに同意します。──に抵触したとある。
ケニス氏は、Adblock FastはSamsungのAPIを使っているので、直接第三者を妨害するような行為に関与してはいないと主張する。
Googleは2013年にも同様の理由で複数の広告ブロックアプリを削除している。
Google Playでは現在、広告ブロック機能を搭載するWebブラウザ「Adblock Browser」は公開されている(リリースは昨年9月)。Samsung Internetは、広告ブロック機能が追加される前のバージョンが公開されている。
Adblock Fastのページには現在、「Android向けAdblock Fastが復活したらお知らせします」として通知先メールアドレスを入力する欄が設けられている。同社はAdblock Fastの復活についてGoogleと交渉しているようだ。
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