昨年12月2日にカリフォルニア州サンバーナーディーノ郡の福祉施設で起きた銃乱射事件の容疑者が所有していたiPhoneの情報を取り出す目的で、FBI(米連邦捜査局)が裁判所命令でAppleにバックドアを強制しようとしている件で新たな展開があった。
2月19日付で米司法省がカリフォルニア中部地区連邦地方裁判所に提出した文書は、Appleのティム・クックCEOの公開書簡はマーケティング目的だと反論する形で、裁判所命令に従わせることを要請する内容。Appleに要請しているのは「バックドアではない」とも主張している。
一方、Appleの幹部はBuzzFeed、The Vergeなどのメディアの数名のジャーナリストと電話会見し、事件後に取得した犯人が所有するiPhoneのApple IDパスワードを変更してしまうミスのせいで、iCloudへのバックアップが行えなくなったことを明らかにした。パスワードの変更はiPhone確保後24時間以内だったという。
犯人は郡の福祉施設職員で、その管理部門がApple IDのパスワードを変更してしまったことで、バックアップが取れなくなったようだが、パスワード変更がFBIからの指示によるものかどうかは不明。iCloudでのバックアップが取れていれば、FBIは必要な情報を得られた可能性がある。ただし、このiPhoneは2カ月間バックアップされておらず、犯人が意図的にバックアップしないようにしたものかもしれないという疑問は残る。
AppleはFBIに対し、バックアップ以外にも4種類のアクセス方法を伝えたが、いずれも失敗したとされている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR