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TwitterのGIFアニメ添付機能、ユーザーが「著作権侵害」に問われる可能性は?――福井弁護士に聞く(1/2 ページ)

» 2016年02月29日 10時45分 公開
[山崎春奈ITmedia]

 Twitterに搭載されたGIFアニメ検索機能、米国では「フェアユース」の適用範囲で合法だが、日本で同じ使い方をしたら「著作権侵害」に当たる?――米国のWebサービスを日本国内で使用する時、コンテンツの権利問題についてどう考えるべきなのか。著作権問題に詳しい福井健策弁護士に聞いた。

photo 投稿画面からGIFアニメを検索・添付できる

 話題になっているのは、Twitterの投稿やメッセージに対して“動くスタンプ”のようなイメージでGIFアニメを添付できる新機能。GIFアニメの検索・コミュニティーサイト「GIPHY」「Riffsy」と連携し、「大好き」「ハグ」「がんばって!」などのシチュエーションや感情で分類してラインアップしている。

 利用できるGIFにポケモンやNARUTO、ディズニー作品などのアニメ、海外ドラマの1シーンなど権利者が明らかなコンテンツが含まれていることに対し、17日のリリース後、日本では「著作権はどうなっているのか?」「あくまで検索機能であって使用は自己責任?」と適法性を懸念する声が上がっていた

ユーザーが権利侵害に当たる可能性は?

 Twitterが自ら提供する素材ではなく、GIFアニメのライブラリサービスと連携した“検索機能”と捉えると、ユーザーが添付してアップロードした画像に対しては、ネット上の動画や静止画を検索、ダウンロードして添付した場合と同じ扱いになる。行為としては、通常のサービス利用時と同様、他者の権利物をアップロードすれば「無断複製と公衆送信として著作権侵害を問われる可能性がある」(福井弁護士)ということだ。

 使用しても権利侵害に当たらない場合は(1)権利者側による公認、CC(クリエイティブ・コモンズ)ライセンスなど利用許諾がある、(2)引用など著作権の例外に当たる――の2ケースとなる。

 日本の著作権法で引用と認められるには、特定のシーンを実際に見せないと意図が伝わらないなど、その画像・映像の表現や事象に対して言及する明確な理由が求められる。スタンプのように単に感情を示す使い方は、特定の画像・映像を使う必要性に乏しく、「引用とは認められない可能性が高い」(福井弁護士)という。

米国では合法――でも日本では

 ユーザー視点で見ると、日米では「フェアユース」概念の有無が違いとして大きい。他者の著作物であっても、非営利や利用する部分が少ないなど一定の条件下で使う場合、「フェアユース」(公正な利用)として著作権の侵害に当たらないとする米国法の規定だ。

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