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おフランス娘ボーカルシンセ「ALYS」と初デートしてみたら頭がどうにかなりそうに(4/5 ページ)

» 2016年03月15日 08時57分 公開
[松尾公也ITmedia]

フランス語カバー、ポルナレフに届け!

 次に、フランス語の歌に挑戦してみた。古いフレンチポップス(そういうジャンルがあったのだ)で、ミッシェル・ポルナレフの「愛の休日」という曲だ(原題はHolidays)。これも、以前に作ったオケがあったので、そこからの流用物件。

 ようやくフランス語を音声合成で歌わせることができる。UTAUでもちゃんとした音源を使えばできるのだろうが、正しい発音に置き換える作業は自分のフランス語力にかかっている。ぜんぶをX-SAMPAに準拠したとしてもリエゾンとかもあるし、大変なのは目に見えている。

 ALYSの場合には、Alter/Egoの改良によって、フランス語歌詞を入力すると、正しい発音記号に置き換えてくれるので、そのへんは安心できる。

 そう安心して「愛の休日」の歌詞を入れてみたのだが、おかしなところがいくつかある。ポルナレフの発音と違うのだ。さらに、C'estの語尾の子音が発音されているようで、これも意図したものとは異なる。こういうときには、X-SAMPAで直接書けばいいので、そうしてみた。このへんは英語VOCALOIDと同じようなやり方でいける。

photo C'estは「セ」と発音させたいのでX-SAMPAでそのように記述

 この曲では「Holidays」という歌詞のところは英語風に歌っているのだが、フランス語では「h」は発音しないしできない。だから「オリデー」になってしまう。そこで、この部分だけ日本語の別トラックにして、合成するという手法をとった。ALYSはフランス語と英語の音質が違和感なくミックスできることもわかった。

 YouTubeやTwitterでのフランス語圏の方々のコメントをざっと見たところ、発音についてはそれほどネガティブな意見はなかったみたいなので、まずは成功といっていいかなと自分では思っている。歌詞表示なしでもほぼ聞き取れたとの、ネイティブの人のコメントもあった。

 この曲は、自分がもともとカラオケでよく歌っている持ち曲の1つなのだが、ネイティブの人に聴かれて大丈夫かというとちょっと自信がない。そういう曲も、こうして発音記号と実際のサウンドを確かめながら練習できるので、シャンソンやフレンチポップスの歌唱力向上目指している人にはよいのではないだろうか(どれだけ需要があるかは不明だが)。

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