米Microsoftは3月30日(現地時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーニセンターで年次開発者会議「Build 2016」を開催した。本稿では、初日の基調講演で発表された主なトピックを時系列で紹介する。約2時間にわたる基調講演の録画はこちらで視聴できる。
オープニングは同社のサティア・ナデラCEOが登場し、「テクノロジーは人々を助けるだろうか、人々を追いやるだろうか。Microsoftは非常に楽天的だ。テクノロジーは人間に貢献すると考えている。ただし、技術を構築する方法は慎重に選択する必要がある。われわれは人々が何かを実現させるための道具を構築していきたい。それがわれわれの広範なプラットフォームのアプローチだ」と語った。
ナデラ氏の後に登場したWindows and Deviceグループのテリー・マイヤーソン上級副社長はまず、Windows 10の普及状況について説明した。現在アクティブにWindows 10を使っているユーザーは2億7000万人以上で、普及率はこれまでのWindows中で最速という。
Windows 10の次期大幅アップデートの名称は「Anniversary Update to Windows 10」で、今夏無償で実施される。このアップデートで追加される主な機能は以下の通り。
Windows Storeに新規参入した開発者は60%増。Facebookの各種アプリ(Facebook、Instagram、Facebookメッセンジャー)が間もなくWindows Storeに登場する。
Windowsを開発ベースにするのが不便だと感じているWeb開発者のためにBashシェルを追加すると発表。この発表が今回の基調講演で最も大きな歓声を浴びた。
BashはUNIXで使うシェルの一種。これまでも移植されているが、英Canonicalとの協力により、ネイティブなUbuntu LinuxのバイナリをWindows上で稼働できるようにしたという。
デスクトップ向けアプリをユニバーサルアプリに変換するツール「Desktop App Converter」が発表された。詳細はこちら。
Xbox責任者のフィル・スペンサー氏は、既存のゲームをWindows 10のユニバーサルゲームに変換するための「Xbox dev mode」を紹介した。dev modeのプレビュー版は同日Xbox Oneで利用可能になる。
また、Xbox OneでのAnniversary Updateで、Xbox OneでもCortanaが利用できるようになることも発表した。
HoloLensについては別記事を参照されたい。
人工知能ボットの開発環境やSkypeボットについては別記事を参照されたい。
Cortanaは1日当たり100万以上の音声による質問に答えているという。
Anniversary Updateで、モバイル版Cortanaは画面がロックされた状態でも「Hey Cortana」と呼び掛けることで呼び出せるようになる。
また、Outlookのカレンダーと連係し、ユーザーがダブルブッキングしそうになるとそれをCortanaが知らせて再調整を助けたり、送受信したメールから予定を検出してカレンダーへの入力を提案したりするデモが行われた。
基調講演の最後に、ナデラ氏が「非常に触発された」というMicrosoftの従業員を紹介した。7歳で視力を失ったシャキーブ・シャイク氏が開発したAI搭載アプリとそれを応用したスマートグラスを紹介する動画で、サングラスのようなスマートグラスのつるをこするとグラスに映る画像をAIが解析した結果を音声で読み上げたり、レストランでメニューにスマートフォンをかざすして「見出しを読んで」というと見出し部分だけを読み上げたりする様子が紹介された。
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