葛西臨海水族園(東京都江戸川区)で2014年12月〜15年1月にかけ、展示中のクロマグロが大量死した問題で、東京都は4月7日、原因を調べた結果を発表した。「単一の要因ではなく、複数の要因が複合的に作用した」とし、照明やストレスなどが影響を与えたと分析している。
園の大水槽では、2014年11月時点でクロマグロやハガツオなど計159匹が泳いでいたが、12月から死亡が相次ぎ、15年3月時点でクロマグロは残り1匹になっていた。
大量死の原因について、専門家の協力を得て調査したところ、
(1)照明の交換などによる明るさの変化
(2)異常な動きをする魚がほかの魚に与えたストレス
(3)ウイルスや細菌、寄生生物
(4)水槽内の酸素濃度が飽和状態だったことによる「ガス病」の疑い
――の4つの要因が複合的に作用したと分析した。
再発防止のため、照明器具の再点検や、異常な動きをする魚を迅速に水槽から取り上げる体制の整備、搬入前の魚の健康状態確認の強化、水槽内の気体濃度測定機器の導入――など日常のチェック体制を整えた。
クロマグロの展示は15年6月から復活。現在はクロマグロ41匹、スマ27匹、ハガツオ12匹が泳いでおり、水槽内の環境は安定しているという。
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