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VR市場、立ち上がりは期待外れ? 海外VRベンチャーが語る、ビジネスの課題(2/3 ページ)

» 2016年05月11日 12時18分 公開
[岡田有花ITmedia]

 「中国人はあまりに楽観的で、多数のVRハードメーカーや小規模ゲームスタジオが存在しているが、特にゲームメーカーは、来年は収益をあげられないのでは。18年ぐらいまで待てば、十分なハードがマーケットに存在し、ゲームスタジオの中でも収益をあげるところが出てくるかもしれない」(シェン氏)

 ユーザー同士がVR空間で交流できるコミュニティ「VR Chat」を運営する米VRChatのジェッセ・ジョードレイCTOは、VR市場で収益をあげる方法について、(1)投資を受ける、(2)自動車メーカーなど大手企業向けにBtoBサービスを作る、(3)買収される――の3つがあると話す。

HMDは「大きくて重い」 長時間遊べるコンテンツはあるか

 VR対応HMDは大きくて重く、長時間遊ぶのはつらい――そんな現状も、市場拡大をはばむ要素だ。「HMDは重く、特にモバイルゲームは遊びにくい。それでもあえて身に着け、遊んでもらうためには、非常に高い価値を提供する必要がある」(シェン氏)。

画像 代表的なVR HMD「Oculus Rift」

 VRアニメは短時間で観られるようにしたいと、ファンCEOは言う。「ユーザーを長時間拘束せずにすむよう、数分間など短い区切りでも楽しめるようにしたい。YouTubeの人気ビデオは7分未満といわれる。生活に合った長さで発表したい。最終的にHMDが小さく軽くなり、長時間でも観たいというニーズがあれば、対応するものを作りたい」。

 ユーザー同士がVR空間でコミュニケーションする「VR Social」の分野に、ブレイクスルーがあるかもしれない。自作のアバターでユーザー同士が交流できるVRコミュニティ「VR Chat」では、ユーザーの平均滞在時間は70分にもなると、ジョードレイ氏は話す。

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