山口英氏が死去 初代内閣官房セキュリティ補佐官 JPCERT/CC設立に尽力
奈良先端科学技術大学院大学教授で、内閣官房の初代情報セキュリティ補佐官を務めたセキュリティ専門家の山口英(やまぐち・すぐる)氏が5月9日に死去した。52歳だった。病気療養中だったという。
1964年生まれ。86年に大阪大学基礎工学部卒業。国内のセキュリティインシデント対策を支援するJPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)設立の中心人物として代表も務めたほか、産学協同の分散コンピューティング研究プロジェクト「WIDEプロジェクト」の創設メンバーでもある。04年~10年まで6年間にわたり、内閣官房情報セキュリティ対策室の情報セキュリティ補佐官を務めた。
JPCERT/CCの歌代和正代表理事名で公開された訃報では、「JPCERT/CC設立は、山口先生がそのはるか以前からネットの安全利用のための研究と運用に尽力した結果が結実したもの」「山口英なくしては、アジア地域初となるCSIRT設立はずっと遅れていた」と振り返る。
村井純氏と江崎浩氏の連名で発表されたWIDEプロジェクトの訃報では、「日本ばかりではなくアジアやアフリカを含む真の意味でのグローバルなインターネットの創造とその発展、そして未来への礎の確立に甚大なる貢献と傑出したリーダーシップを発揮した」と氏の功績をたたえている。
その人柄も、関わった人々を魅了した。「歯に衣を着せぬ物言いと天衣無縫な振る舞いが印象的でしたが、その陰には細やかな気遣いが隠されていることを誰もがわかっていました。その志を継いで、信念と優しさを持ち、すべての人々が安心して暮らせる社会を創るために努力していくことが残された私たちにできることです」(JPCERT/CCの訃報より)。
通夜・告別式は親族のみで行われた。後日、お別れの会を開く予定だ。
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