ソフトバンクは7月22日、東京・港区で開催している「SoftBank World 2016」で、米IBMの「Watson」をベースに開発した人工知能(AI)「SoftBank BRAIN」の詳細を発表した。ソフトバンク社内では同AIをすでに業務で活用しているという。
SoftBank BRAINは、本当に役立つ“リアルAI”の実現を目指してソフトバンクが開発したもの。仕組みとしては、まず同社の顧客から寄せられた質問を1万件以上集め、それぞれの文章を解析。質問をカテゴリーごとに分類し、さまざまな社内システムや膨大なコンテンツ、テキストなどとマッチングして最適な回答を導き出すという。
IT部門、企画部門のほか、ソフトバンク全社の営業やSEのノウハウもデータとして蓄積。「ブレーンの成長とともにわれわれの提案力や営業力も向上していく」(同社)。
会場では、SoftBank BRAINを使ったコンタクトセンター(コールセンター)でのやり取りをデモンストレーション。過去の応対履歴データに基づき、顧客の質問意図を推測しながら最適な回答にオペレーターを導いたという。また、「新しいの欲しいんですけど、今の代金ってどうなってるんですか?」といったあいまいな質問にも対応できるとしている。今後はMicrosoft Translatorと連携した多言語対応も見込んでいる。
現在ソフトバンクでは、すでにこのAIを用いた業務プロジェクトが6つ以上あるそうだ。ソフトバンクの宮内謙社長は、SoftBank BRAINを「社員の力で成長するAI」と表現する。
ソフトバンクは積極的に社内にAIを導入していくという。AIによる社員の健康管理や人事評価も視野に入れている。SoftBank BRAINは今後、ソフトバンクが独自に開発しているAI技術「感情エンジン」と連携させる予定だ。
(太田智美)
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