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カラオケ、マリオ、ポケモン、ボケ、FeliCa、乗り換え Appleイベント副読本(1/2 ページ)

» 2016年09月12日 20時15分 公開
[松尾公也ITmedia]

 9月7日に行われたAppleスペシャルイベントは任天堂の宮本茂専務が登壇、Appleのフィル・シラー上級副社長からFeliCa搭載が発表されるなど、日本プッシュが目立ったわけだが、そこに登場した、カラオケ、マリオ、ポケモン、ボケ、FeliCa、乗り換えという、日本特有のキーワードを中心にサブテキスト的情報を集めてみた。

ティム・クックはカラオケで何を歌っているのか

 基調講演は、車の助手席に乗っているティム・クックCEOが歌う動画でスタート。その中でCEOが歌った2曲目は、故郷であるアラバマを代表するサザンロックバンド、レーナード・スキナードの「Sweet Home Alabama」だ。この曲はニール・ヤングが米国南部の黒人差別を批判した曲「Alabama」に反撃する形で作られた曲としても有名だが、それを後部座席のファレル・ウィリアムズもいっしょに歌っているというのもポイント。

photo 故郷の讃歌を楽しげに歌うクックCEO

 これは米CBSの番組「The Late Late Show with James Corden」(「Late Late」という名で親しまれている)の大人気コーナーである「Carpool Karaoke」の未公開エピソード。Carpoolは車の相乗り。司会者ジェームズ・コーデンが運転する車に有名ミュージシャンやセレブが乗り込んで一緒に歌う。エルトン・ジョンと「僕の歌は君の歌」スティービー・ワンダーと「迷信」をイベントの最後にゲストライブを披露したSiaが登場した回もある。最高に豪華なカラオケだ。

 そんな車内カラオケ終了後に会場のバックステージに降ろしてもらったクックCEOがそのまま登場した(そういう設定)のが、iPhone 7などが発表されたAppleのスペシャルイベント会場であるビル・グラハム市民会館。

 Appleの公式YouTubeチャンネルやポッドキャストでもこの基調講演は公開されているが、残念なことにAppleのサイトにある動画以外では、CEO歌唱シーンは削られている。その導入部分がないのにクックCEOが「ジェームズ・コーデンに送ってもらった」「ファレルといっしょに歌ったよ」と話しているのはちょっと変な感じだ。

 Appleは6月に、この番組をApple Musicで放映する権利を取得したと発表しているので、サブスクリプションサービスの購読者はいずれ視聴できるかもしれない。ただし、Appleが契約したのはCBSのコーナーそのものではなく、コーデン以外のホストを使って行う別シリーズらしい。コーデンがドライブしているのはロサンジェルスだけみたいなので、クック回はすでに別シリーズなのかも。

 車の中でカラオケの番組、日本でやったら「手放し運転とは何事か」とか視聴者からクレームが来そうである。連結した前の車両に引かれているとかなのだろうけど。

スーパーマリオランに内助の功?

 任天堂関連のトピックが2つ、イベントでは披露された。1つは、完全なサプライズとなった、ゲーム業界のカリスマ、任天堂の宮本茂代表取締役専務の登場で拍手喝采を浴び、「スーパーマリオラン」を発表する。このイベントの直後にニューヨークで行われたPS4 Pro発表会を牽制するかのように。

 The Vergeでは宮本氏へのインタビューを掲載していて、その中で彼は、自分の妻があまりゲーム機でプレイしたがらないのにスマートフォンではよく遊んでいるのを「観察」しており、その体験が元になってスーパーマリオランが生まれたと話している。

photo Apple Watchで動くPokemon GOを披露するNianticのジョン・ハンケCEO

 もう1つは、Pokemon GO。Nianticのジョン・ハンケCEOが登壇し、16日に発売するPokemon GO Plusをチラ見せした後で、ポケGOのApple Watchアプリを披露。ハンケ氏とAppleってどんな関係だったのかと思って年表を調べてみたら、2010年で既にNianticを立ち上げて移っている。Appleが地図に関してGoogleと決別したのは2012年だから、少なくとも地図に関してはAppleとはまだ仲よかった頃である。

 そんなNianticのアジア統括担当ディレクターである川島優志氏に、このイベントのちょっと前にインタビューした動画がこちら。Pokemon GOについて、米国在住のYouTuberドリキンがMACお宝鑑定団のDANBO氏による鋭い質問をぶつけているので、その背景がわかるかもしれない。

招待状画像の答え合わせ

 Appleスペシャルイベントの招待状に含まれるメッセージを読み解こうという試みは毎回行われる。今回は、それぞれの丸の色から登場する製品を予測しようという記事が見られた。

 正解の1つは「ボケ」である。iPhone 7のデュアルカメラの効用の1つとして、ワイドレンズのほうで被写界深度をコントロールし、ズームレンズと合わせて効果的なボケをリアルタイムプレビューしながら撮影できる。

 フィル・シラー上級副社長は「ボーカ」と発音していたが、日本語の「ボケ」(bokeh)のこと。招待状の画像全体は、このボケ機能に代表される、iPhone 7 Plusのデュアルレンズによる革新的なカメラ性能を示しているのだろう。Macworld UKは正しく読み解いたようで、暗所での撮影性能強化と「Bokeh」を予測している。そして我がITmedia Newsの佐藤由紀子さんも見事に的中させている

photo 見事なボケ

 そういえば、Appleの公式Twitterアカウントである@Appleは一言もつぶやかず、背景だけをiPhone 7 Plusのデュアルレンズに変更している。これが答え合わせということだろうか。

photo これが答え合わせということか
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