米Googleは9月20日(現地時間)、Google I/Oで発表したAI(人工知能) bot入りメッセージングアプリ「Allo」のiOS版およびAndroid版の提供を開始したと発表した。向こう数日間をかけて“ローリングアウト”していく(筆者の環境ではまだダウンロードできない)。
Google I/Oでは2つのメッセージングアプリ「Duo」と「Allo」が発表され、1対1のシンプルなメッセージングアプリDuoは8月に公開済みだ。
Alloを利用するには、Duo同様に端末の電話番号との連係が必要だ。つまり、少なくとも今の段階ではWebアプリ版や複数の端末での利用はできない。
Alloの最大の特徴は人工知能(AI)採用bot「Google Assistant」(日本では「Googleアシスタント」)と会話できることだが、公開段階では英語のプレビュー版でのみ利用可能だ。Alloのヘルプページによると、日本でも年内に利用できるようになる予定。
Googleアシスタントは、今後Alloだけでなく、10月4日のイベントで発表されるかもしれない据え置き型アシスタント端末「Google Home」など、多様なGoogleのサービスに採用されていく見込みだ。
Alloでは、Googleアシスタントと1対1で話せる他、友達とのチャット(グループチャットも可能)中にGoogleアシスタントを会話に参加させることで、例えば夕食の相談中にアシスタントにレシピ動画を提示してもらったり、レストランを勧めてもらったりできる。
これまでは友達とチャット中に別のアプリ(検索やGoogleマップなど)で確認しなければならなかったことが、チャット内で、相手とも共有しながら見られるということだ。
なお、Googleアシスタントに自分の予定(カレンダーを確認しなくてもチャットで次の予定を確認できる)やGmailでの予約履歴など、Googleのサービスに保存してある情報を利用させるには、Googleアカウントとの連係も必要だ。
Alloにはこの他、相手が入力したテキストや画像の内容を解析して短い返信候補を表示する「スマートリプライ」、メッセージの文字サイズの調整、画像への落書き機能、エンドツーエンドで暗号化されて通知もプライベートになる「シークレットモード」などの機能がある。
Googleは当初、ユーザーのプライバシーを守るため、Alloはメッセージデータを一時的に、匿名化して保存するとしていたが、米The Vergeによると、公開段階ではそうはなっておらず、シークレットモードでのメッセージ以外は一時的ではなく、ユーザーが能動的に削除するまで保存されるという。Googleはこの変更の理由を、スマートリプライ機能の向上のためと説明した。AI技術を採用するスマートリプライ機能は、ユーザーのデータで学習することで賢くなっていくからだ。
Alloのメッセージは、ハングアウトやGmailのメッセージと同様に端末とGoogleのサーバ間で暗号化され、Googleのアルゴリズムだけが解析できる方法で暗号化されたまま保存されるという。Alloでのユーザー情報の扱いについては、Googleのプライバシーポリシーに準拠する。
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