Spotifyの遅れに遅れた日本進出への手土産の1つが、スマートフォンでの歌詞表示機能だ。「世界に先駆けて実装した」という歌詞機能。一体どういう仕組みなのか気になったので調べてみた。
iOS 10で改良されたミュージックアプリではApple Musicで歌詞が表示されるようになったが、その歌詞表示とは違い、同期表示ができるのが特徴だ。カラオケのように、いま歌われている歌詞が次々とハイライトされていく。
Apple Musicの歌詞表示は一覧性は高いのだが、どこを歌っているのかしばしば見失ってしまう。カラオケ的表示ならそれがない。
これはすごいこと、のように思える。
実はこれ、シンクパワーが提供しているプチリリというサービスが使われているのだ。AWA、うたパスやdヒッツでも採用され、8月時点で30もの音楽サービスで使われている、日本ではポピュラーな仕組みだ。シンクパワーではWeb APIを提供し、iOS、Android向けのSDKも用意している。
プチリリメーカーというアプリを使うと、権利者が自ら歌詞データを投稿することも可能になっている。例えばボカロPが自作のボカロ曲の歌詞とその表示タイミングをデータとして提供することもできるのだ。
Spotifyで提供できている歌詞は、基本的にAWAと同じものだと思われるが、その実装方法はサービス、というか、アプリの開発者によって異なる。同じプチリリを使っていても、AWAとSpotifyの作り込みは違う。
Spotifyの歌詞表示は2つのモードがある。全画面表示と、部分表示。そして、歌詞は行単位で、どの場所が歌われているかを指定するものと、そうでないもの、つまり、ただ歌詞が表示されるだけのもの。その2種類がある。行単位で指定されている歌詞の場合は全画面表示でも部分表示でもOKだが、行単位指定のない歌詞だと全画面表示しかできない(「歌詞を表示するには全画面にしてください」と表示されるのがうるさい)。そして、全画面表示にすると一切の曲コントロールができないのだ。
それに対してAWAはアルバムジャケットに歌詞がオーバーレイ表示され、行表示が可能な場合は自動スクロールされるスタイル。こっちの方がスマートな実装だ。
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