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「ビーム! はいバリアー、ききませーん!」 子どものころ夢見た世界がARで実現 新感覚スポーツ「HADO」CEATEC JAPAN 2016

» 2016年10月03日 20時50分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 「CEATEC JAPAN 2016」(10月4〜7日、千葉・幕張メッセ)で、恐らく最も体を動かすであろう出展内容が、meleapと超人スポーツ協会の「HADO」だ。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)とアームセンサーを装着し、現実世界にAR(拡張現実)のエフェクトを重ねた迫力ある映像を見ながらスポーツアトラクションを楽しめるというもの。はやりの“AR体験”といったレベルではない、かなりの本格派だ(なぜなら既に製品版だから)。

photo 実際にプレイヤー同士で対戦しているようす。最大で3対3の6人でプレイできる

 ブースに訪れた記者が目にしたのは、プレイヤー同士で対戦する「HADO対人戦」だ。プレイフィールド上で、プレイヤーは腕を前に突き出せばエナジーボールを発射して攻撃でき、腕を下から上に振り上げればバリアを発動、さらには体を動かして飛んでくるエナジーボールをよける――といった動作ができる。まさに子どものころに夢見た、漫画のキャラクターが繰り出す技や魔法の再現だ。

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 プレイヤーはHMDに挿入したスマートフォンのカメラを通して現実世界を見るが、映像の遅延による酔いなどはあまり感じないそうだ。VR HMDに代表されるようなVR酔いは、映像が動いているにもかかわらず自分は動いていないことによって発生する。HADOはプレイヤー自身が体を常に動かしたり、相手の動きに集中したりするため、酔いが発生しにくいという。

 酔いが発生しにくいだけではなく、エナジーボール(攻撃)が自分に向かってくる高い臨場感と没入感、そしてARで表示しているものが実在しているかのように感じられるのも特徴だ。プレイヤーの姿とプレイフィールドは別のカメラで同時に撮影しており、観客はプレイヤーとARエフェクトを重ねた第三者視点の映像を楽しめる。

photo プレイフィールドを撮影する別のスマートフォン
photo 加速度や筋電位が取得できるアームセンサーを使用。筋電位の精度に問題があり、現在は加速度情報のみゲームに反映しているという。バイブレーションも搭載されているため、攻撃したときのフィードバックも
photo HADOで用いる専用HMD。一般的なVR HMDとの違いは、あえて隙間を空けることで、外部の視界を完全に遮らないところ。装着したまま激しく動くため、足下を見えるようにして安全に配慮しているという

 ゲームのグラフィックス処理や画像認識はスマホ内で行っており、各プレイヤーの位置情報などはスマホと接続したサーバPC(非ハイエンドのノートPC)を用いて同期している。スマホではかなり重い処理を行っているとのことで、発熱は相当シビア。1試合ごとに交換するなど工夫しているという。

 HADOはテーマパーク向けなどで既に商業展開されており、長崎県佐世保市のハウステンボスにはアトラクションとして常設されている。HADOのプラットフォームを使ったコンテンツはHADO対人戦の他に、モンスターと戦う「リアルモンスターバトル」や、ゴーカートに乗って対人戦が楽しめる「HADO KART」などがある。

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