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DNSへの大規模DDoS攻撃、関与のIPアドレスは数千万と判明

» 2016年10月26日 07時40分 公開
[鈴木聖子ITmedia]

 米DNSサービス大手のDynに大規模な分散型サービス妨害(DDoS)攻撃が仕掛けられてTwitterやNetflixなどの大手サービスがダウンした事件について、Dynがブログで詳細を報告し、IoTマルウェア「Mirai」に感染した数千万台のデバイスから攻撃を受けていたことを確認した。

DDoS攻撃被害について発表したDyn

 Dynによると、攻撃は米国東部標準時の10月21日午前7時頃から始まった。同社に対するDDoSはそれほど珍しい現象ではないというが、「今回の攻撃は違うことがすぐにはっきりした」と説明する。

 2時間後に攻撃を封じ込めていったんサービスを復旧したものの、同日正午頃に攻撃の第2波に見舞われる。最初の攻撃の影響が米東部沿岸部のインフラに限られていたのに対し、第2波は世界の他の地域にも広がった。この攻撃も約1時間で封じ込め、午後1時頃にはサービスを復旧させたという。

 さらに第3波の攻撃も観測されたが、この時は顧客に影響を与えることなく回避できたとしている。

 一連の攻撃について同社では、「何千万ものIPアドレスが絡む高度な分散攻撃だった」と振り返る。FlashpointやAkamai Technologiesの協力を得て分析した結果、Miraiに感染したデバイスのボットネットが攻撃トラフィック発生源の1つだったことを確認。Miraiのボットネットに関連したIPアドレスは数千万に上ったという。

IoT機器にDDoS攻撃をさせたマルウェア「Mirai」はソースコードが公開された

 攻撃への対応に当たっては、影響を受けたDynの顧客や世界のインターネット大手からも協力の申し出があったと同社は説明。インターネットの現状として「攻撃の種類や持続時間、規模、複雑性がすべて高まっている」と指摘し、「われわれは今後もインターネットの回復力を高めるために力を合わせなければならない」と訴えた。

 根本的な原因については引き続き調査を続けるが、攻撃についての詳しい情報や同社の講じた対策については、再発防止の観点から全容の公開は差し控える見通しだとしている。

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