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» 2016年11月08日 18時44分 公開

GoogleのAWS対抗クラウド「Google Cloud Platform」日本上陸 東京データセンター新設

Googleがクラウドサービス「Google Cloud Platform」のデータセンターを日本に初開設。

[片渕陽平,ITmedia]

 米Googleは11月8日、クラウドサービス「Google Cloud Platform」(GCP)の日本初となるデータセンター「東京GCPリージョン」の正式運用をスタートした。これまで同サービスの拠点はアジア圏では台湾にしかなかったが、東京GCPリージョンの開設で日本企業のユーザー獲得を狙う。

 Google Cloud Platformは、Googleが提供するIaaS/PaaSサービス群の総称。米Amazon.comの「Amazon Web Services」(AWS)や、米Microsoftの「Microsoft Azure」、米IBMの「SoftLayer」などに対抗するもので、企業がサービス開発に活用できる各種API提供などを通じてシェア拡大を目指す。

photo 新データセンターの開設で、Google Cloud Platformのリージョンはアジアに2カ所となる

日本初データセンターで遅延を解消

 東京GCPリージョンは、台湾に次ぐアジア圏内2番目の拠点。日本のユーザーにとってはデータセンターまでの物理的な距離を短くできるメリットがある。東京・大阪・札幌・名古屋などで行った東京GCPリージョンの試験運用では、台湾リージョンの利用時と比べてレイテンシ(通信遅延)が平均50〜85%ほど改善されたという。

 新データセンターの開設で、Google Cloud Platformのリージョンは世界4カ所、アジアに2カ所となる。競合するAWSのリージョン数(世界12カ所、アジア3カ所)には及ばないが、Googleは2017年末までにアジア圏のリージョンを5カ所に増やす計画だ。

ビッグデータ解析や機械学習に強み 「Pokemon GO」のサービス基盤にも

photo Google Cloud プレジデントのタリック・シャウカット氏

 Google Cloud Platformは、「G Suite」(旧称:Google Apps for Work)など、Googleが提供している各種クラウドサービスの基盤としても使われている。同社によれば、これらのサービス利用も含め、Google Cloud Platformのエンドユーザー数は10億人を突破しているという。

 一方、企業がサービス開発を行うためのIaaS/PaaSとしてのシェアは、AWSに大きく水をあけられている状況だ。調査会社のSynergy Research Groupの調べによれば、世界パブリックIaaS市場のシェアはAWSが45%と突出している。

 Google Cloud Platformは、AWSなどの競合サービスにどう対抗するのか。Google Cloud プレジデントのタリック・シャウカット氏は、他社サービスと差別化するポイントとして「ビッグデータ解析」や「機械学習」を挙げる。

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 「Google Cloud Platformでは、日本語を英語に翻訳したり、テキストから感情を読み取ったり、画像を認識したりといった機能を、APIを介して提供している。保険会社が事故にあった車両を画像認識で特定したり、コールセンターが対応に音声認識を利用したりと、すでに役立てている企業も多い」(シャウカット氏)

 さらにシャウカット氏は、Google Cloud Platformのスケーラビリティーを「Pokemon GO」を引き合いに説明する。Pokemon GOを開発した米Nianticは、Googleからスピンアウトした企業ということもあり、インフラにGoogle Cloudを採用している。

 今年7月、Pokemon GOのオーストラリアとニュージーランドでの公開時には、提供開始15分後にNianticが当初予想していた50倍ものトラフィックが発生したとされている。「Pokemon GOは一晩で世界中に広まったほどの人気ぶりだったが、Google Cloudの拡張性の高さがあってスケールできた」とシャウカット氏は話す。

 柔軟性の高さを生かすために、分単位の従量課金制を採用していることも特徴だ。「(分単位の課金は)競合サービスと比べて、どういうサービス提供形態がいいかを考えた結果。ユーザー企業がコストを最適化するに当たっては、時間当たりよりも分単位のほうが使い勝手がいいだろう」(シャウカット氏)。

 シャウカット氏は「クラウド市場は始まったばかり。企業の業務全体のうち、クラウドベースに移行しているものは5%程度にすぎないという調査結果もある」とし、「日本市場に大きな投資をした上で、チームをさらに強化し、充実したサービスを提供していきたい」と述べた。

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