医療情報のキュレーションサイト「WELQ」に「不正確な情報が掲載されている」などの指摘があり、運営元のディー・エヌ・エー(DeNA)が全記事を非公開にした問題で、同社は12月1日、「ユーザーや広告主に大きなご迷惑をおかけした」とする謝罪文を、守安功社長名で発表した。
WELQと同様な運営体制の「iemo」「Find Travel」など8メディアについても、同日夕から全記事を非公開にするほか、経営責任を明確化するため、守安社長の月額報酬を30%カットするという。
守安氏は一連の問題について「最高責任者である私の不徳の致すところ」とし、ユーザーや広告主、関係者に対して「これほどまでに大きなご迷惑をおかけしてしまったことを、心よりお詫びする」と謝罪した。
WELQに根拠が不明確な医療関連記事を載せていたことについては、「細心の注意を払って取り扱うべき医療情報を不適切な形で提供していたことは大きな間違いだったと反省」し、29日に全記事を非公開にしたと説明した。
WELQについては、「クラウドソーシングで集めたライターに、低価格で記事を量産させている」「他サイトからの無断転載をマニュアルで推奨している」などと、運営体制も批判を浴びた。
守安氏は「マニュアルやライターへの指示で他サイトからの文言の転用を推奨しているととらえられかねない点があった」が、「私自身、モラルに反していないという考えを持つことができなかった」と反省。運営体制・方針がWELQと共通するキュレーションサイトの「iemo」「Find Travel」「cuta」「UpIn」「CAFY」「JOOY」「GOIN」「PUUL」の8メディアについても「このまま記事を提供し続けることは許されない」と判断し、12月1日午後6時に全記事を非公開化すると決めたという。
これで、DeNAが成長の柱の一つに位置づけてきたキュレーションプラットフォーム構想「DeNAパレット」に所属する10メディアのうち9メディアが非公開に。女子向けキュレーションメディア「MERY」のみ、公開を続けるという。
今後、MERYを含めた全メディアについて、守安社長が委員長の「キュレーション管理委員会」を通じ、記事作成のプロセスや中身を精査。メディア運営のあり方も抜本的に見直し、「自分自身心の底から自信の持てるプロセスを構築していくことを約束する」としている。
対応が遅れたのは「私自身の判断の甘さによるもの」とし、説明に時間がかかったことを「本当に申し訳ない」と謝罪。経営責任を明確化するため、月額報酬の30%を6カ月間減額するという。
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