コールセンターへの問い合わせが減った理由として、私は“電話が使いにくいものであることにみんな気付いた”のだと考えています。電話というものは、テレビでいうところの“生中継”に相当します。生のライブ感はありますが、「事前に用意されていた質問と異なる内容でオロオロ……」だとか「的外れな答えをしてしまった」という場面に出くわすこともあります。
ある意味、それが「生」である醍醐味(だいごみ)かもしれませんが、コールセンターでの対応はそうはいきません。
オペレーターはどんな質問が来ても、的確に即答することを要求されます。ユーザーも、電話をしながら症状や状況などを正確かつ即座に答える必要があります。そう考えると、実は電話というものは、ちょっとハードルが高いコミュニケーション手段だったのです。
メール(Webフォーム)はどうでしょうか。こちらは落ち着いて内容を伝えることができます。「担当者とその場でやりとりできるまとまった時間はないが、症状や内容を伝えて、後で答えを送っておいてほしい」という状態に役立ちます。
ただし、メールは入力さえすればそれで終わりなので、自分の時間を効率的に使える一方、返信内容が期待と異なり、再度メールをすることになってしまって時間が余計にかかってしまった、ということが考えられます。
チャットやLINEによるサポートはどうでしょうか。チャットは電話でのやりとりに近く、短い文章で質問と答えをやりとりすることができます。スマートフォンのカメラ機能を使って、実機の写真や困っている症状を撮影して送ることができるので、言葉よりも素早く状況を伝えることができます。
時間の拘束も電話に比べると緩やかです。通勤時間帯に短い完結な文章で問い合わせを投げておき、昼休みに答えをチェックする、そんな使い方もできます。自分の時間の使い方の効率を上げる、または、最も負担なく解決策にたどり着きたいならテキストベースのサポートがおすすめです。
しかし、テキストベースのやりとりを語る上で、今話題の人工知能(AI)は欠かせません。こういったテキストのやりとりをAIが担い、近い将来人間の仕事を奪う心配はないのでしょうか。
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