岐阜県の飛騨高山エリア限定で利用できる電子通貨プラットフォーム「さるぼぼコイン」(仮称)の実証実験が5月15日に始まった。飛騨信用組合の全職員(約200人)に、飛騨高山エリアの飲食施設で実際に使ってもらい、実用化に向けた課題を抽出する。
秋にも商用化する計画。地元経済の活性化につなげるほか、外国人観光客向けの新たな決済手段として提供したい考えだ。
さるぼぼコインは、スマートフォンアプリ上で利用できる電子通貨で、岐阜県の飛騨高山エリア限定で利用可能。地元企業・商店での資金流通を促すことによる地域経済の活性化と、訪日外国人観光客向けの決済手段の簡素化を目指している。O2O支援を手掛ける都内のIT企業・アイリッジが開発した。
実証実験では、高山市内の飲食店モール「EaTown飛騨高山」「でこなる横丁」と、飛騨市の「やんちゃ屋台村」にさるぼぼコインの決済システムを導入。飛騨信用組合の職員にさるぼぼコインを使って代金を決済してもらい、利用シーンや技術面・セキュリティ面、運用面、法制度の課題や改善点を抽出する。実験は約3カ月間行い、今秋の商用化を目指す。今回の実験と並行し、ブロックチェーン活用に向けた技術検証も行う
アイリッジと飛騨信用組合は、同プラットフォーム上で決済や売上データを見える化することにより、ビッグデータマーケティングを推進するほか、取引履歴を利用して審査をする融資「トランザクションレンディング」なども展開する計画。他自治体に対するソリューション提案も行いたい考えだ。
高山市では外国人観光客数が増加しているが、地元の商店にはカードの決済が普及していないなど、インバウンド需要への対応に課題があるという。さるぼぼコイン導入により、地域経済の活性化と訪日外国人向けのサービス向上を実現したいとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR