この連載を書くにあたり初めて知ったのですが、ITセキュリティでは避けて通れない「脆弱(ぜいじゃく)性」という言葉の反対概念が、「レジリエンス」という言葉なのだそうです。レジリエンスはもともと心理学用語で、回復や復元、耐久といった力を指します。正常な状態に戻すための力、それがレジリエンスです。
身近になったITは、常に脅威と隣り合わせで、その脅威を100%振り払うことは本当に難しいことです。先日話題になった「WannaCry」は、OSに存在した脆弱性が、「ランサムウェア」という攻撃に化けてあなたを襲いました。
その脆弱性をふさぐ(つまり、修正パッチを適用し最新の状態にする)という対策以外にも、ITの「レジリエンスを高める」ことも忘れてはならないように思えます。
「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。
PCやスマートフォンの「回復力」「復元力」、それは恐らくバックアップだと思います。バックアップというと、PCを触った方なら、どこかのタイミングで「必ずやってね」といわれるもの。
ですが、正直この記事をお読みの方で、バックアップに自信があるという方はどれだけいますでしょうか。きっと、ほとんどいないと思います。
それもそのはず、バックアップには手間も時間がかかります。外付けHDDやネットワークストレージ(NAS)などを買い、適切に接続、設定しなければなりません。そんな手間のかかることができるのは、恐らく一握りの“PCマスター”ではないかと思っています。
そのPCマスターでさえ、「バックアップしたデータを適切に戻せる自信があるか」と聞かれると、回答に困るのではないでしょうか。
ランサムウェアがこれだけ話題になっているのに、バックアップが軽視されているのはちょっと困ったことだと思っています。しかし、ITの進化でバックアップ技術もかなり進化しました。そこで、今の時代に合った、バックアップの手法を考えてみたいと思います。
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