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「PasocomMini MZ-80C」に実機でできたあれ、できます? 開発者に聞いた立ちどまるよふりむくよ(2/3 ページ)

» 2017年05月27日 08時41分 公開
[松尾公也ITmedia]

 シャープ製BASICの搭載は不可能だったが、エミュレータはマシン語プログラムをSDカードでロードし、動かすことはできる。このマシン語プログラムはゲームだけでなく、プログラミング言語なども含まれる。実際、ハル研究所ではSP-5030カセットテープのイメージをロードし、動作させることができたという。つまり、SP-5030さえ手に入れられれば、BASICプログラムも問題なく動くということだ。

 ここで問題になるのはSP-5030の入手方法。ハル研によれば、シャープが販売することはないし、今では入手することも困難だ。MZ-80K2Eユーザーだったぼくもそのカセットは実機と同様手元にない。

 しかし、なんとかなるかもしれない。フリーソフトウェアのBASICが存在するのだ。

 「KM-BASIC for MZ-80K/MZ-700」というソフトで、GPLライセンスでオープンソース公開もされている。

MZ-80Kのようなレトロコンピューターを考える上で、高級言語であるBASICは切っても切り離せない存在です。MZ-80K用には、SHARPオリジナルのSP-5010やSP-5030、ハドソンソフトのHu-BASICなどがあります。いずれもカセットテープに入った状態で販売されていましたが、今日、こういったソフトウェアを入手することはほとんど不可能です。

そこで、MZ-700エミュレーターやMZ-80Kレプリカ上で使用可能なBASICを、独自に作成することにしました。オープンソースのフリーソフトウェアとして公開しますので、どなたでも自由に使用でき、また、改変する事も可能です。アセンブラではなく、Cを使って開発しましたので、コンパクトさには欠けますが、改変して使用することが容易です。

 とてもありがたいことだ。

 ハル研ではPasocomMiniに「機械語で打ち込んでほしい」と話しているが、実際に当時のユーザーのほとんどは雑誌に掲載されたBASICプログラムを打ち込んでいたのだから。

 プログラムが入手困難なことは開発側もわかっており、3本のプログラムをバンドルするだけでなく、当時のプログラムの作者に直接コンタクトを取り、SDカードに入れた販売などなんらかの形で世に出そうとしている。PasocomMiniの販売を担当する秋葉原のレトロPC・ゲーム専門店「BEEP」の駒林貴行店長に聞いたところ、「10本くらいは発売時に用意したい」という。「電波新聞社と工学社から出ていたMZ-80活用研究の再販とかはどうですかね?」と聞いたがそれは先方の意向もあるので、ということだった。もしも版権に関係ある方がいらしたら検討していただきたい。スキャンしただけの電子版でもいいので。

photo バンドルが予定されている当時人気のゲーム「Zeplis」のプレイ画面

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