Interop Tokyo 2017の「マストドン」ブリーフィングというイベントが6月7日から3日間にわたって開催されている。
そのトップを飾ったのが、マストドンの作者であるドイツ人青年オイゲン・ロッコさんによる6月7日の基調講演だ。
さくらインターネット研究所所長の鷲北賢さん、コードを操るタレントの池澤あやかさん、司会は角川インターネット総合研究所の主任研究員で、日本におけるマストドンブームの火付け役である遠藤諭さん。
オイゲンさんはドイツからSkypeで参加。時差の関係で20分前に「起きた」とトゥートしたばかり。3時間しか寝ていないそうだ。
池澤さんはプログラマーらしく、オイゲンさんに好きな言語、コーディングのスタイル、生活のパターンなどを質問。オイゲンさんはそれに真摯な態度で答えていったがここでは割愛。
本題である「なぜマストドンを作ったか」についての回答はこのようなものだった:
数年前、友人から連合(federated)ネットワークについてのアイデアを聞かされた。そのときにはピンと来なかったが、昨年5月あたりからTwitterは些細なことだけど不人気な改変を始め、昨年いっぱい間違った判断を下し続けた。そこで当初のアイデアを思い出し、GNU Socialを発見した。当初はコントリビュートもしていたが、コードを読んで、自分自身で書いてみようと決めた。Twitterのようなものをユーザーに取り戻そうと考えた。TweetDeckにインスパイアされたユーザーインタフェースもつけて。
Twitterがうまくいっていない原因を考えているうちに、それはTwitterだけが悪いのではなく、営利企業であり、中央集権的な会社であるためだと思い至った。広告のやり方、マネタイズ戦略についてはユーザーと運営企業の考えに隔たりがある。
ならば脱中央集権的な仕組みにしてみてはどうかと考えた。Twitterには巨大なデータセンターが必要だけど、マストドンなら1、2台のサーバで済む。
コミュニティー内のルールも自分たちで決められる。日本のルールをシリコンバレーのルールにしばられる必要はない。それはドイツでも英国でも同様だ。
「彼は大丈夫だね」
基調講演が終わり、翌日のパネルディスカッションに参加する古参ジャーナリストたちが事前の打ち合わせをしたとき、みんながうなずきあった。
オイゲンさんはもう一度、日本のイベントにSkypeで参加する。
登壇者は次のとおり(あいうえお順):
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