「マジで!」「なんて粋なことをしてくれるんだ!」――6月27日朝、ネット上は騒然となった。任天堂が10月5日に発売する、手のひらサイズのスーパーファミコン型端末「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」(ミニスーファミ)に、とある“幻の作品”が収録されることが明らかになったからだ。
そのタイトルは「スターフォックス 2」。1993年発売の3Dシューティングゲーム「スターフォックス」の続編だ。「ロボットにモーフィング(変形)して走る」「360度、自由に飛び回る」などのギミックを盛り込み「いろんな実験をした」(同社)という意欲作だったが、完成を間近にしてスーパーファミコンの後継機「NINTENDO64」と発売時期が重なったため、発売中止となった。
そんな幻の作品が20年以上の歳月を経て復活する。ネットでは「ここにきて復活かよ!」などと歓喜の声が上がり、27日午前には「スターフォックス 2」がTwitterのトレンドに入るなど注目を集めた。なぜ、このタイミングで復活が決まったのか――任天堂広報部に聞いた。
「ミニスーファミに収録するゲームタイトルを選ぶとき、社内で『いい機会だから』と声が上がった」――任天堂広報担当者はそう話す。同社内には「当時を知る現役の開発者」がおり、完成度も高かったことから「どこかのタイミングで復活させたい」との意見があったという。「これを機に幻のソフトを収録すれば、(ユーザーにも)喜ばれると思った」(広報担当者)
さらに決め手になったのが、スターフォックス 2のカセットに内蔵予定だったプロセッサ「スーパーFXチップ」。ポリゴンや3Dグラフィックを描写するために、前作「スターフォックス」に内蔵した「スーパーFXチップ」と比べると、メモリを2倍に増設した改良版だった。
だが、このプロセッサが“復活の妨げ”になっていたという。任天堂は、過去作品をゲームソフト配信サービス「バーチャルコンソール」でWii Uなどに配信しているが、スーパーFXチップを内蔵したゲームソフトは「(技術的な問題で)バーチャルコンソール化が難しく」配信を行っていなかった。
しかし、今回発売するミニスーファミでは、そうした問題を「アプリケーションの側面からクリア」(同社)したという。同様にスーパーFXチップを内蔵していた「ヨッシーアイランド」も収録が決まっている。
【訂正履歴】スーパーFXチップについて、当初「ハードウェアに組む込んだ」としていましたが、一部誤りがありましたので表現を改めました。[28日11:50 編集部]
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