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1プッシュで商品届く「Amazon Dash Button」が日本で好調なワケ

» 2017年06月28日 17時26分 公開
[村上万純ITmedia]

 アマゾンジャパンは6月28日、ボタンを押すだけで日用品をAmazon.co.jpで注文できる端末「Amazon Dash Button」の取り扱いブランド・商品を大幅拡充した。同社によると、日本での売れ行きは海外と比べても好調だという。

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前田さん

 アマゾンジャパンの前田宏さん(消費財事業本部統括本部長)によると、「日本のAmazon Dash Button経由での売り上げと端末自体の売り上げは、米国に次いで2位。世界で9番目にサービスを開始した国だが、予想以上に好評」だという。日本では2016年12月にプライム会員向けにサービスを開始した。

 前田さんは「なぜ先行してサービスを提供していた欧州の国より日本が好調なのか一概には言えないが」としつつ、「IT感度の高い父親が端末を購入しているからではないか」と分析する。ギークな父親がDash Buttonを購入し、それを見た母親や子供がほかのブランドにも関心を示すことで、1世帯で複数端末を使うことも多いという。

 中でも人気なのは、サントリー天然水、ウィルキンソン(飲料)、エリエール(トイレットペーパー)、アリエール(洗濯用洗剤)、ムーニー(おむつ)などの日用品(17年5月末時点)。購入頻度が高く、店舗で買うと重くてかさばるものがよく売れている。

 「一番人気のサントリー天然水は、かなりの数のDash Buttonを用意したが、発売から約24時間で売り切れた。16年12月当時、想定以上の滑り出しだったことを覚えている」(前田さん)

 17年6月28日、Amazon Dash Buttonは取り扱いブランドを116種に拡充。飲料や洗剤といった既存カテゴリーの充実のほか、新たに、掃除用品、ハンドソープ、麺・パスタ、菓子類、サプリメント・ヘルスケア、栄養補助食品、アルコール類、缶詰、オフィス文房具、靴専用防水用品、電池まで対象カテゴリーを拡大し、1000種類以上の対応商品をそろえた。

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 「普段の生活の中で、これは必要になるだろうと思われる商品を想像し、種類を拡充している。メーカー側からAmazon Dash Buttonを作りたいと要望をもらうこともある」(前田さん)

 前田さんによると、アマゾンジャパンの消費財部門の売り上げは直近5年(11〜16年)で10倍以上成長したという。10年9月に開始した「定期おトク便」を皮切りに、家庭向けサービス「Amazonファミリー」、酒類の取り扱い開始、低価格な日用品を必要な分量だけまとめて配送できる「Amazonパントリー」などが売り上げを後押しした。

 「プライム会員向けサービスは今後も注力していく。お客さまの満足度を高める3つの柱は、品ぞろえ、価格、利便性。Amazon Dash Buttonの品ぞろえはさらに充実させる。これからも新しいショッピング体験を提供したい」(前田さん)

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