国立がん研究センターと日本電気(NEC)は7月10日、内視鏡検査時に人工知能(AI)を用いて大腸がんや大腸腫瘍性ポリープ(前がん病変)を自動検知するシステムを開発したと発表した。検査時に撮影された画像から、リアルタイムに診断できるという。
狙いは、医師による見逃しを防ぐこと。肉眼での発見が困難な病変や発生部位、医師の技術格差による見逃しを防ぐのが目的だ。
同システムは、ディープラーニングを活用したAIで、独自のアルゴリズムで画像を高速処理。1台のPCで動作する。国立がん研究センター中央病院で診断した約5000例の内視鏡画像を学習させたという。
これを用いて約5000枚の新たな内視鏡画像を評価したところ、前がん病変としてのポリープと早期がんの発見率は98%に達したという。
現段階ではプロトタイプだが、今後はグローバルでの実用化も視野に。また、肉眼での認識が困難な平たん・陥凹病変の学習や精度の向上にも取り組んでいきたいとしている。
(太田智美)
NEC、創薬事業に本格参入 AI技術で発見した「がん治療薬」実用化へ
人工知能でがん治療の精度アップ 国立がん研など新システム開発へ
Interview:『スピリチュアルマシンの時代』のカーツワイル氏に聞くナノテクの未来
牛もウェアラブルを着ける時代に? 人工知能とクラウドで飼育管理
人とコンピュータの論理的な対話実現へ テキスト解析で意見の根拠を示す技術、日立が開発Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR