「ヤフーのサービス改善にkukaiを使う計画。早ければ下期にも実験を開始する」――ヤフーの宮坂学社長は、7月28日の決算説明会でこう話した。
「kukai」(クウカイ)は、同社がExaScalerとHPCシステムズ協力のもとに開発したスーパーコンピュータ。ディープラーニング活用に特化したもので、省エネ性能の高さも特徴。2017年6月にスパコンの省エネ性能ランキング「GREEN500」で世界2位を獲得した。(関連記事)
kukaiは、ディープラーニングを活用したコンテンツのパーソナライズ精度向上を目的に開発したもの。例えば、スマートフォン版のYahoo!JAPANトップページは、タイムライン形式でニュースを表示するが、「パーソナライズ精度が良くなったことで、ユーザーの滞在時間が延びている」という。
「kukaiは、ディープラーニングを使うもの全てに活用できると思っている」と宮坂社長。まず同社の音声認識エンジン「YJVOICE」への活用を想定し、スマホアプリとスマホブラウザの「Yahoo!JAPAN」トップページへの活用も検討中だ。
「(kukaiを使えば)これまで10のデータを突っ込んでいたのが、100くらい突っ込めるようになるかもしれない」(宮坂社長)
自社以外での活用も検討するのか。同説明会で、親会社のソフトバンクグループとの連携について聞かれると、宮坂社長は「まだ始めたばかりなので、ソフトバンクグループ全体ではなくヤフーを中心に考えている」とした。
早ければ17年の下期にもkukaiを活用した実験を始めるという。kukaiのチューニングの手法などについては今後発表予定だが、具体的な時期や発表方法は未定とした。
【追記:2017年7月28日午後10時50分 「kukai」の活用について追記しました】
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