米ワシントンD.C.のショッピングモールで7月17日(現地時間)にセキュリティロボットが警備ルートを外れて池に“身投げ”した問題について、開発元の米新興企業Knightscopeが28日、原因が判明したと発表した。仕事の過酷さを苦にした投身自殺――ではなかったようだ。
ロボットは、ショッピングモール「ワシントン・ハーバー」で採用されている「K5」で、別名「スティーブ」。17日午後2時過ぎ、警備ゾーンを離れて池に落ちた。当時、Twitterには多数の現場写真が投稿され、「分かるよ、君の仕事は過酷だよね」と投身自殺を哀れむツイートが注目を集めたり、現場にスティーブをしのぶ献花台が作られ、花や写真が供えられるなどした。
Knightscopeがロボットの「ブラックボックス」からデータや動画を回収し、再現テストを行うなどして検証した結果、身投げの原因は、誰かに投げ入られたり雨が降っていたせいではなく、モールのれんがの表面処理が雑だったために起きた車輪のスリップをアルゴリズムが検知できず、段差を検出できなかったことだと分かったという。開発チームは既にナビゲーションを改善。スリップ防止と段差検出のための技術開発も行っているという。
現在このモールは、スティーブの代わりのロボット「ロージー」が警備中。スティーブは修理中で、今後、水族館をパトロール予定という。
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