「ビジネスパーソンの7割以上がクールビズを勘違いしている」――三菱電機ビルテクノサービスは8月7日、クールビズや空調機器に関するそんな調査結果を発表した。環境省が推奨する「室内温度を28度に」を「空調設定温度を28度に」などと誤解する人が多く、正しくクールビズを理解している人は少数派だったという。
調査は6月30日〜7月16日、空調の設定温度を変更できるオフィス勤務の20〜60代男女1000人に対してネット上で実施した。調査機関はジャストシステム。
調査によると、7割以上の人が職場で「クールビズを実施している」と回答。だが、環境省が推奨する「衣服を軽装にして、室内温度(冷房時)を28度に調整すること」を正しく理解している人は全体の約23.8%にとどまった。
よくある誤解は、クールビズの28度設定を「室内温度」ではなく「エアコン設定温度」とみなすこと。クールビズを正しく理解していない人の中では、エアコンの設定温度を「28度で設定」(約38.2%)「25〜28度の間で設定」(約25.4%)している人が目立った。
空調設定温度をただ下げても、室内温度がそこまで冷えないケースは多いようだ。職場のエアコン設定温度を28度にしている人のうち、約51.8%が「職場を暑いと感じる」と回答。同社は「設定温度を28度にしても、室内が必ずしも均一に28度になるとは限らないため、職場環境や個々の体調に応じて無理のない範囲内で快適な室内環境を作ってもらう意識作りが大切」と指摘している。
一方「職場が寒いと感じる」(約32.5%)人も。その7割以上が「冷房が体調不良に結びついた」と回答しており、症状別では男性は「風邪」(約45.9%)、女性は「肩こり」(約49.7%)が最多だった。
こうした背景からか、約63.9%の人が「夏場、黙ってこっそり空調の設定温度を変更したことがある」と回答。その際、男性は「温度を下げる」(約66.7%)ことが多く、女性は「温度を上げる」(約60.2%)ことが多いなど、設定温度への不満には男女差がみられた。
同社は「室内環境に対してさまざまな不満がありながらも、改善する取り組みがまだまだ進んでいない」と指摘。オフィス全体を均一の温度で保つのは難しいため、衣服を軽装にするほか、ブラインドの設置やLED電球への交換、扇風機・サーキュレーターなどの併用、エアコンのドライ運転の利用――といった対策を勧めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR