米Googleは8月24日(現地時間)、音声認識機能搭載アプリ開発向けの基本的な音声命令のデータセット「Speech Commands Dataset」をオープンソースで公開したと発表した。公式ブログ内のリンクをクリックすると圧縮ファイルをダウンロードできる。
Speech Commands Datasetは、同社の機械学習ライブラリ「TensorFlow」を手掛けるチームと、人工知能(AI)向けハードウェアキット提供プロジェクト「AIY(Artificial Intelligence Yourself) Projects」チームが共同で開発したもの。
データは、「Yes」「No」「Stop」「Go」など、音声サービスでよく使われる30個の英単語を、数千人のボランティアが読み上げたもので、長さ1秒の録音6万5000件が収録されている。
この録音は、AIYが公開しているWebサイトを通じて集められた。このサイトは現在も公開されており、誰でも参加できる。Speech Commands Datasetには今後、公開後に録音されたデータが追加されていく。
Googleはこうしたデータを収集するためのインフラもGitHubで公開している。
同社が5月に立ち上げたAIY Projectは、AI搭載ハードウェアを自作する人のためにキットを提供するプロジェクト。まずは自然言語を音声認識する対話ガジェット「Voice Kit」の基本セットを英米の書店などを通じて提供している。今回公開したデータセットはVoice Kitでも使える。
GoogleやFacebookなど、音声サービスを提供している企業自身は、「Googleアシスタント」や音声チャットサービスで収集したユーザーの膨大な音声データを音声認識AIツールの訓練に利用できるが、小規模な開発者が訓練データを入手するのは難しい。こうしたオープンソースのデータセット公開は音声認識アプリ普及を後押ししそうだ。
同じようなプロジェクトはMozillaも6月に「Common Voice」として立ち上げた。こちらはまだ録音を集めている段階で、1万時間分のデータ収集を目標にしている。データセットは年内に公開する見込みだ。
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