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準天頂衛星で誤差“センチメータ級”、三菱電機の自動運転車

» 2017年10月17日 14時40分 公開
[ITmedia]

 三菱電機は、自動運転技術を搭載した実証実験車「xAUTO」(エックスオート)を、第45回東京モーターショー2017(10月27日〜11月5日、東京ビッグサイト)に出展する。周囲の状況をセンサーで把握したり、日本のほぼ真上を周回する準天頂衛星の信号を活用したりして「高い安全性と快適性を両立した」(同社)。

photo xAUTO

 車両の前後、側面にミリ波レーダー、監視カメラなどを取り付け、周辺の状況をセンシングする「自立型走行技術」を採用。16年5月から日本国内の高速道路で300時間超の試験走行を行い、さまざまな道路環境や、濃霧や雪道などの悪天候下でも実用性を確認したという。

 さらに準天頂衛星が送信するCLAS信号を活用し、クルマの位置情報を把握する「インフラ型走行技術」も採用。自立型走行技術と同様、17年9月から高速道路で実験を行い、実用可能なレベルに至ったとしている。

 日常で使われている衛星測位は米国のGPS信号が主流だが、測位する地域によっては数メートルの誤差が生じていた。CLAS信号は、国土地理院が日本全国に設置している電子基準点を活用し、地域ごとの誤差を補正することで、位置情報を“センチメータ級”で捉えられるという。

photo CLAS信号を活用し、誤差は“センチメータ級”に

 今後は、準天頂衛星システムがカバーしていない地域でも、CLAS信号と互換性があるサービス網を、三菱電機が出資する独Sapcordaと構築していく。欧州や北米でも実証実験を行う考えだ。

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