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NAVERまとめ、著作物の「無断使用」対策を強化 「まとめ作成者」ランク付け

» 2017年11月29日 19時02分 公開
[ITmedia]

 LINE傘下のネクストライブラリは11月29日、キュレーションサイト「NAVERまとめ」に、著作権を管理するシステム「Lisah」(リサ)と、まとめ作成者を評価ランク付けする「オーサーランク」を試験導入した。まとめに著作物が無断使用されるトラブルを軽減するため、対策を強化する。

 Lisahは、著作権者が著作物の画像を登録しておくと、NAVERまとめ内で不正利用された場合、AI(人工知能)が自動検知し、非表示化やキャプション・出典の書き換えができる。リサイズや切り抜きなどで偽装した画像も含め、検知率は96%という。

 利用には、氏名、住所、証明書類(運転免許証、学生証など)の登録が必要。11月時点では、検知対象はNAVERまとめのみだが、他メディア(他社含む)でも順次使えるように検討していく。

photo 著作物の画像が不正利用された場合、AIが自動検知する
photo 登録していた著作物と一致する画像を、自動的にリストアップ

 オーサーランクは、まとめ作成者の経歴などを公開し、閲覧者がまとめ記事の信頼性を測る判断材料にできる仕組み。本人確認(Lisahと連携)をしたまとめ作成者の情報を、まとめの表示順の参考にする。職歴、所属・関連組織、受賞歴、著書、執筆記事――など、入力するプロフィール項目も充実させる。

 作成したまとめに「どういった経緯で作成したのか」などコメントを記載しなければならない「オーサーコメント」も追加。例えば「おすすめラーメン店」を選んだまとめでは、そのエリアに住んでいるラーメン好きなのか、ラーメン評論家なのか――などを記載するよう求める。

 昨年11月下旬、ディー・エヌ・エー(DeNA)の医療情報キュレーションサイト「WELQ」に「不正確な情報が掲載されている」「他メディアからの無断転載とみられる内容が多い」などの指摘が相次ぎ、同社はWELQを含む9メディアの全記事を非公開に。同じキュレーションサイトのNAVERまとめの動向にも注目が集まっていた。

 この流れを受け、LINEは昨年12月、まとめ作成者のランク付けなどの対応策を盛り込んだ新方針を発表。権利者が著作権侵害を申告した時点で、侵害の可能性があると仮定して先に非表示処理を行う「みなし非表示対応」も導入していた。ただ、権利者が自ら不正利用されている著作物を探したり、削除要請のために証明、請求書面を作成したり――と、負担が生じていた。

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