災害現場などで助けを求める人の声を、ドローンに搭載したマイクを使って検出し、居場所を特定する技術を、東京工業大学や熊本大学らのグループが開発したと12月7日に発表した。カメラが使えない夜間などでも、ドローンを使った救助が可能になるとしている。研究は、内閣府が主導する革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」の一環。
これまでドローンを使って要救助者を発見する際は、カメラを使うケースがほとんどで、夜間や暗所などカメラが使えない状況では利用できなかった、また、ドローンはプロペラや風による騒音が大きく、地上から呼ぶ人の声を聞くことは困難だった。
今回の研究では、複数のマイクで構成する「マイクロホンアレイ」を用いたロボット聴覚のオープンソースソフト「HARK」を応用。騒音下でも音の方向を推定する技術を開発した。また、16個のマイクをまとめ、ケーブル1本でドローンに接続できる全天候型マイクロホンアレイを開発。雨天の要救助者捜索も可能にした。
音がどこから到来するのかを推定する三次元音源位置推定技術と、音源を地図に表示する技術も開発。ドローンを操作する人に分かりやすく音源を可視化できるようにした。
今後、ドローンだけでなくさまざまな救助資機材にこの技術が搭載されれば、大規模な災害などでの人命救助実績につながるとしている。
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