Twitterを見ていると、正確な速報を打つことで著名な方が、韓国のアーティストに起きた「ある事故」についての速報を投稿していました。調べてみると、確かに同様の内容を現地新聞が伝えているようです。
そのアーティストは日本の若いファンも多く、一気にTwitter内がざわつくのが分かりました。数分もするとトレンドワードとしてそのアーティストの名前も挙がるようになり、ニュースを見ていないファンもこのトレンドワードから状況を把握し、さらにトレンドワードが強固になり……というプロセスを、今風の情報展開だと思いつつ横からリアルタイムで見ていました。
「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。
その事故は痛ましいもので、ファンではない私にとっても大変ショッキングでした。初報が大手新聞社の「確定報」だったものの、しばらくするとTwitterの検索結果に不思議なことが起きます。「○○新聞は確定と伝えているけれど、実際現地ではそのような報道はされていません! 祈りましょう」などという投稿が、次々とRT/お気に入りされているのが分かります。しかし私の検索能力では、そのおおもとになるであろう情報源は発見できず。
Twitter内ではむしろ「確定したというのはデマ」という発言が検索の上位になりますが、誰1人としてそのもとになる情報を挙げる人はいません。結果として、公式に所属プロダクションが声明を発表。当初の報道通りの確定報をなぞっていました。この一連の流れを見て、自分の中の「Twitter感」が少し変わっているのが分かりました。
まず私のスタンスは、Twitterは個人が発信できる「メディア」であり、可能な限り正しい情報源をもとに、デマにならぬよう慎重に情報を取り扱うべきものだと思っています。これは今も変わりません。
そのため、あからさまなデマや、元記事へのリンクを隠したツイート、記事のスクリーンショットのみを使った投稿は良くないと思っています。その前提では、上記の事件に対する反応は「デマ」を助長するものですので、本来は良くないと思っています。
しかし、今回の事件を横から見ていて、Twitterが「人に寄り添う」仕組みになっているのかもしれないとも思いました。ファンにとって今回の事件は、予想もできなかったことです。特に若い方にとっては、この事件を真っ正面から受けとめることなどできなかったでしょう。信じたくないことを突きつけられた集団がTwitterを通じて寄り添い、信じたくないという同じ思いを持つ人たちが、徐々に現実を見つめるための装置になっていると感じました。
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