栗田 プレミアム会員のメリットを再定義し、例えばマイリスト数を増やすなど、足りない部分は増やしたりしてきちんと整理していきたい。niconicoの文化、コミュニティーを形成するにあたり、お金を払う価値がある居場所だと思ってもらえるようにしていきます。
── 他のサービスにないniconicoの強みや武器は、発表会で川上さんが言っていたように、やはり「コメント機能」でしょうか。
栗田 もちろんそれは一番の強みです。単に動画を見るだけならYouTubeでいいが、コメント付きでみんなと一緒に見れるのが面白い。
ただ、コメントや投稿をするモチベーションが昔と比べて弱くなっているのは確かなので、そこをどう強化するか。要望の多かった「ニコる」(面白い動画やコメントなどを評価する機能)も今年あたり実装したいですね(笑)。
── 栗田さんは15年から執行役員としてドワンゴに入社していますが、昔からいちユーザーでもあったと。
栗田 ドワンゴには、iモードの立ち上げや絵文字の開発をしていたドコモ時代に、コンテンツプロパイダーとしてゲームを提供してもらいました。川上とも99年頃に出会っていたので、06年のローンチ前にニコニコ動画のプロットを見せてもらっていて、サービスを使っていました。08年にプレミアム会員になって、ちょうどボーカロイドが盛り上がってきたときでしたね。
── その後、ぴあやバンダイナムコゲームスなどを経て、ドワンゴに入社されました。
栗田 ぴあは夏野(ドワンゴの夏野剛取締役)に呼ばれ、バンナムでは松永(松永真理さん、栗田取締役や夏野取締役らと共にiモードを立ち上げ)に呼ばれて入社しました(笑)。
14年頃、バンナムの次はどうしようかと思っていたとき、「いろメロミックス」という着メロサイトを一緒に作った横澤(ドワンゴの横澤大輔取締役CCO)との飲み会がありました。その日がちょうどドワンゴとKADOKAWAが経営統合を発表した日だったんですよ。そこで「うち面白いから来てよ」と誘われまして。よく夏野が引っ張ってきたと思われがちなのですが、実は川上と横澤がきっかけです。
── さまざまな企業でプラットフォームの開発・運営に携わってきて、ドワンゴやニコニコ動画にどんな印象を持ってましたか。
栗田 バンナム時代はニコ動の自由な感じがすごくうらやましかったですね。こちらは権利元なので、自由にできないことも多くて。
あと、ドワンゴは一番社員年齢が若く、エンジニアを社内に抱えている所がこれまでと違う面白さでした。エンジニアがプライドを持ち、いいものを作ろうと思って動いている。
── 謝罪生放送でも、エンジニアを労わるコメントが多かったです。
栗田 うちのエンジニアは結構恵まれていると思いますよ(笑)。企画や営業、イベント担当の方が大変かもしれません。
── ユーザーから寄せられた意見の取りまとめも、社内の有志でやられていましたね。
栗田 あれもエンジニアが多かったです。謝罪生放送も、「早くやりましょう」と有志が立ち上がって想定より早いタイミングで配信できました。問い合わせフォームの窓口もまだボランタリーなので、今月中に人員を配置してしっかりユーザーの意見に応えていきたいです。
── チーム一丸となって取り組んでいると。改めて、niconicoをどんな場にしていきたいですか。
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