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“エアリスの死”反響に驚き 「ファイナルファンタジー」生みの親・坂口博信氏が振り返る写真で見る「展覧会」

» 2018年01月19日 19時36分 公開
[村上万純ITmedia]

 スクウェア・エニックスが、「FINAL FANTASY 30th ANNIVERSARY EXHIBITION -別れの物語展-」(1月22日〜2月28日)を六本木ヒルズ森タワーの「森アーツセンターギャラリー」で開催する。1月19日に開催されたプレス向け内覧会では、FFシリーズの生みの親・坂口博信さんや、歴代タイトルのイラストやキービジュアルなどを手掛けた天野喜孝さんが駆け付け、これまでの作品を振り返った。

FF 左から「ファイナルファンタジー」シリーズの生みの親・坂口博信さんと歴代タイトルのイラストやキービジュアルなどを手掛けた天野喜孝さん

 FFシリーズは1987年に第1作を発売。全世界で累計1億3500万本以上の出荷・ダウンロード販売を達成し、17年には「最もタイトル数の多いロールプレイングゲームシリーズ」(87作)としてギネス世界記録に認定されている。

 坂口さんは、FFシリーズが長年愛されている理由について「最先端の技術やハードウェアに常にチャレンジしてきた。技術的に深い所を追求していったことで今がある」と説明し、「1作目を作ったときは、雑誌社に持ち込んでプレゼンしたが『ドラゴンクエスト』の対抗馬になるので扱えないと言われた。FFVIIのときは、初めての3DグラフィックのRPGで、答えがない中で開発していた」と苦労を語った。

 思い出深い出来事を聞かれた際は、「FFVIIでエアリスが死んだことに対する反響が大きくて驚いた。開発当時は『ここでいなくてなってしまってもいいだろう』くらいに思っていたので、ここまでとは思っていなかった」と振り返り、「FFシリーズは40年、50年と言わず、100年先まで愛されて欲しい」と笑顔を見せる。

「別れ」をテーマに、“目と耳”で歴代タイトルを振り返る

 展覧会は、「別れの物語」に注目し、歴代タイトルを回顧していく体験型展示。受け付けでスマートフォンと専用音声ガイド機(ヘッドフォン)が配られ、展示物に近づくと専用アプリからゲームBGM(約50曲)やキャラクターボイスなどを自動再生する「音声AR(拡張現実)システム」を採用。例えば、FFVの展示に近づくと「ビッグブリッヂの死闘」が流れるといった具合だ。

音声 「音声ARシステム」を採用

 展示スペースは全9エリア。入り口すぐの参加型アトラクションシアターでは、高さ3.9×幅12メートルの巨大壁面にバハムートの映像が登場。1回につき最大50人が参加でき、スマホアプリ上のボタンをタップし、全員で協力してバハムートを討滅する。巨大画面でバハムートが飛び回る様はなかなか迫力があった。

参加型アトラクションシアター

 その後は、FFII以降のゲーム画面やイラスト、当時のデッサンなどの資料や展示が並ぶ。エアリスと主人公クラウドが初めて出会った「スラムの教会」を再現した、FFVIIの特別展示「エアリスの遺した言葉」や、ゲーム本編で一瞬映し出されたシーンを再現したFFXVの特別展示「幻の結婚式」なども見どころ。通路の途中には、FFVIIのクラウドが使っていた武器・バスターソードや、FFXIIに登場するジャッジ・ガブラスなども再現されていた。特にFFXVは、キャラクターイラスト、ワールドマップ、召喚獣やモンスターのフィギュアなど幅広い展示物を楽しめる。

FFVII
FFXVの特別展示「幻の結婚式」
年表

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