日立製作所と東北大学は2月16日、燃えにくい電解質を使ったリチウムイオン電池を試作したと発表した。発火を防ぐ補強材や冷却機構を設ける必要がなくなり、電池の小型化、低コスト化などが期待できるとしている。
日立によれば、一般的なリチウムイオン電池は、引火点が20度以下の有機電解質を使っているため、異常が起きると発火する恐れがあった。新開発の電解質は、引火点が従来よりも100度以上高く、スムーズな充放電につながるリチウムイオンの伝えやすさ(伝導性)も従来比4倍を実現したという。
研究チームはこの電解質を使い、サイズが21(幅)×25(奥行き)センチの電池(容量100Wh)を試作。電池にくぎを刺し、強制的にショートを起こす実験でも発熱が抑制され、発火しないことを実証したという。
今後、日立と東北大学は実用化に向け、よりエネルギー密度を高め、充放電時間を短縮するなどの改善を進める。
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