いま話題のAIアシスタントを搭載するスマートスピーカーを例に挙げると、基本的には人間が主体的に音声でコマンドを投げ、コントロールしなければならないデバイスといえる。しかしマイルームロビは、ロボットの方がユーザーに話しかけてくる。その会話の内容はエンターテインメントに振ったものから、ユーザーが暮らす生活環境の気温や湿度、明るさを察知して投げかけてくるアドバイス、「ごみ出しのタイミング」など意外と多岐にわたる。なかなかの“世話焼き”なのだ。
マイルームロビの機能を成り立たせているのが、本体に内蔵する5種類のセンサーだ。まず「TVリモコンセンサー」は、赤外線センサーのこと。家庭にあるテレビリモコンのボタンを押すと、それがマイルームロビに対するコマンドとなり、反応を返してくれる仕組み。主に赤、青、緑、黄色のカラーボタンとテンキー、決定ボタンを使用する。赤外線だから機器同士のペアリングなど面倒な作業は不要だ。
例えばリモコンの黄色ボタンを押すと、本体に内蔵している「気温・湿度センサー」がチェックした部屋環境を教えてくれる。マイルームロビが返してくるコメントも単純な気温・湿度の測定値ではなく、「もう少し加湿した方がいいかもしれません」といった具合にワンポイントのアドバイスを加えてくる。
赤ボタンは「いつでも記念日」に設定されていて、ボタンを押した日の記念日を教えてくれる。ちなみに取材に行った2月1日は「テレビ放送記念日」だった。高久氏によれば、いくつもの記念日がある日は、代表的なものをピックアップして収録しているそうだ。青ボタンは「いつでも歌のリクエスト」。マイルームロビの本体に収録されている全50曲から、ユーザーがテンキーで選んだ歌を歌ってくれる。
会話のパターンは2000種類以上も収録されている。これまでのロビシリーズと同様に声優には優しく愛嬌のある声が特徴の大谷育江さんを起用した。「ユーザーにおしつけがましさを感じないように、会話の内容やユーザーとの“距離感”を測ることには腐心してきました」という高久氏。「人感センサー」は、ユーザーがマイルームロビから約70センチ以内に近づいた時に反応して、おしゃべりを始める。本体をACアダプターにつないでおけば、暗いところに置いても気配を感じて話しかけてくれる。例えば部屋に大勢の家族が集まってざわざわとしていれば、その音に反応して「なんだかにぎやかだねー」と会話に参加してくるそうだ。会話のプログラムを作成するにあたって、高久氏は「ユーザーをふと和ませてくれるような、ちょっとした楽しいつぶやき」を積極的に取り入れたと説明する。
ほかにも気温・温度センサーはユーザーの生活環境の変化に対して敏感に反応する。例えば「暗くなったね。電気つけたら?」「はっくしょんっ!寒いよー」といった具合に、部屋の明かりやエアコンを使うように促してくれるのだ。
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