ドワンゴは6月28日、動画サービス「niconico」の新バージョン「く」(クレッシェンド)の提供を開始した。ニコニコサービスの改善を掲げ、通信回線の増強や使いやすい機能の実装に注力。当初は2018年2月の提供を予定していたが、「ユーザーの期待に沿えるものではない」と判断し、延期していた。
要望が多かった、ユーザー生放送全枠での720p(HD)画質配信に対応。これを実現するため、コーデック専用ハードウェアによる処理と汎用CPUによるソフトウェア処理を組み合わせたハイブリッドコーデック製品「M820L」を導入した(システムはソシオネクストと共同開発)。
これまでは生配信のストリーミングをサーバでトランスコード(データ形式の変換)処理する際に大きな負荷が掛かっていたが、大きな解像度のエンコード(データ圧縮)をM820Lにも処理させることでサーバ負荷の軽減が可能になった。
その他、生放送では(1)トップページのリニューアル、(2)注目番組ページの新設、(3)Webブラウザの表示領域に合わせた生放送プレーヤー表示などに対応。
ニコニコ動画も(1)トップページのリニューアル、(2)一般会員がスマートフォンのWebブラウザから動画を投稿できる機能の追加、(3)新規投稿動画の画質改善、などを行った。
今夏には、VRライブコミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」と「ニコニコ生放送」で、投げ銭機能の導入も予定している。
同社は17年11月に新バージョン「く」の詳細を発表。しかしネット上では「新機能より基本機能の改善を優先してほしい」「今は有料会員のメリットが少ない」などの声が相次いだため、ユーザーと向き合い、基本機能の改善に注力するとしていた。
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