いよいよ仕事での利用を試してみます。WebブラウザではOffice 365や、Googleドライブといったオンラインツールをそのまま利用できます。
結論としては、思いのほか普通にWordで文書を入力することも可能ですし、Googleドキュメントで本連載の原稿を作成できました。
しかし、あえて欠点として挙げるとすれば、キーボードのタイピング時に現実にあるキーボードの位置がVR空間では分からない点です。「ヘッドセットの隙間を利用して現実のキーボードをチラ見し、位置を確認してから入力を始める」といった作法が必要です。
もしもコントローラーと同じように、キーボードの位置もVR空間上に表示されるようになれば利便性や没入感がさらに高まると思うのですが、ここは将来に期待となります。
一方で、現実にあるマウスを使った操作はヘッドセットを被っていても違和感なくできました。VR空間に表示されるポインタをマウスで直感的に動かせるのは便利です。コントローラーとマウスをうまく使い分けながら操作すれば、いろいろなことに活用できるかも。
しかしながら、冷静になって考えるとVR空間でわざわざWord等の文字入力を行う必要性は無かったかもしれません。私の場合は乗り物酔いしやすい体質に加え、ノートPCのスペックがMRヘッドセットの動作要件ギリギリだったので、ヘッドセットの映像と自分が動く感覚にわずかな遅延があったせいか、軽いVR酔いを体験することになりました。
「VR空間で遠隔会議できるビジネスツール」のような、VRだからこそ生きるビジネスツールの登場に期待したいところです。
思い返せば、私の人生でメガネを最初に装着したときにグラグラした感覚が抜けず、慣れるまでに時間がかかった記憶があります。もしかすると慣れの問題かもしれませんが、メーカーも適度な休憩を挟むように推奨しています。
Mixed Realityのヘッドセットの登場により、VRが手軽に楽しめるようになったことから、これから先、VR空間でできることが増えて、実際に出勤せずにこの空間で集まって、共同作業するといったシーンも近い将来実現するのではと推察しています。
いかがでしたでしょうか、機会がありましたらMRやVRの世界をぜひ体験してみてください。
著者:白木智幸(しろき・ともゆき)
日本HP PC&タブレットエバンジェリスト。パーソナルシステムズ事業本部に所属し、法人向けタブレット製品のプロダクトマネージャ(製品企画)とビジネスプラン(販売計画)を担当。PCやタブレットの楽しさや素晴らしさを広くお伝えすることを通じ、グローバル化の進む現代でよりよい働き方を実現するためのエッセンスを提供することがテーマ
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