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「敵とは何か」 SNSの未来を描く「ガッチャマン クラウズ」のメッセージを解くアニメに潜むサイバー攻撃(1/7 ページ)

» 2018年10月12日 08時00分 公開
[文月涼ITmedia]

連載:アニメに潜むサイバー攻撃

サイバー攻撃は、時代に合わせ、攻撃の対象や手口が変化してきました。しかし近未来の世界、最新技術へのセキュリティ対策はイメージしにくい部分もあります。そこで、そう遠くない未来、現実化しそうなアニメのワンシーンをヒントに、セキュリティにもアニメにも詳しい内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の文月涼さん(上席サイバーセキュリティ分析官)が対策を解説します。第4回のテーマは「ガッチャマン クラウズ」です。

photo 2015年初夏、18万人の人々が暮らす東京都立川市。超科学を持つ宇宙人に力を与えられ、人間を害する異星犯罪者や未確認物体を秘密裏に処理する影のエージェント「ガッチャマン」の戦いを描く (c) タツノコプロ / ガッチャマン クラウズ製作委員会

文月(以下:F) ガッチャマン クラウズはですね、かつてのガッチャマンシリーズとはちょっと違う世界のお話です。旧作のキャラクターの名前なども出てきますが。

ITmedia NEWS編集K: ふむふむ。

F: 主人公は、文房具フェチでトランジスター●●●ーの女子高生、一ノ瀬はじめちゃんで……。

K: トラ? トラ、何ですと? 何の隠語です? なぜ伏せ字?

F: いえ、説明のためとはいえ、官僚がこう、広く国民に読まれる誌面で、特定のワードを口にするのは倫理的に問題があるので……。

K: ああ! それって、Ky……

F: (光速でKの口を押さえて)いけない! それ以上はいけません!

K: むぐぐぐg、Op……

F: それもダメー!!

著者紹介:文月涼(ふづき・りょう)

大阪市立大学卒。日産自動車就職後フリーライター・カメラマンに。デジタルカメラに関する記事を執筆するが「あまりに辛辣な記事を書くため、さまざまな事情で引退」(本人談)。その後、内閣官房内閣広報室、内閣サイバーセキュリティセンターに勤務。「国民の皆さまにサイバーセキュリティに関する興味をもってもらうためには『何でもする!』をモットーに連載しているので、登場する本人のキャラクター像は意図的にかなり大変ものすごく脚色されています。あしからずご了承ください」



(編集部注)以下、ストーリーの核心に迫るネタバレを含みます。ご注意ください。

新世代SNSのすごさに「思い切り頭を殴られたような気がした」

F: あらかじめお断りしておきますと、これから文字面では非常に訳の分からないことを連発しますが、この作品はギャグではありません。笑いの要素はほうぼうにありますが至ってシリアスです。

K: あ、はい。でもなぜ?

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