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Amazonのリアル店舗に抱いた違和感 “星4つ”商品だけ並ぶ、NYの「4-star」に行ってみた(2/2 ページ)

» 2018年10月29日 14時22分 公開
[山口恵祐ITmedia]
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 例えば、店に商品として並ぶタブレット端末は、Amazonオリジナルの「Kindle Fire HD」シリーズのみ。スマートフォンや映像機器などの周辺機器ケーブルはプライベートブランド「Amazon Basic」の商品しか見当たらなかった。全く関係のない商品カテゴリーの棚に、唐突にKindle Fire HDなど自社ブランドの商品が配置されていることも。ここがAmazon.comの店であることを強く印象付けられた。

photo 周辺機器ケーブルのコーナーは「Amazonベーシック」の商品のみ

 さらに店内を見渡して感じたことは、記者のようにAmazonを使い慣れた人にとっては少々退屈に思えることだ。当たり前の話でもあるが、Amazon.comのWebサイトで見かけるおすすめ商品や人気ランキングと店の商品ラインアップがほとんど変わらないからだ。

photo 書店でまだ無名の本を見つけ出すような楽しみは薄い

 記者なら、わざわざ店に足を運ばずに手元のスマートフォンで人気商品のトレンドをチェックして購入まで済ませるだろう。店舗の客層を見ると、初めて訪れた観光客が多数を占めているように感じられた。入り口で写真を撮り、店内を1周してそのまま帰るような人ばかりだったからだ。

 この店舗は、これまでAmazon.comをあまり使ってこなかった層に対して、「Amazon」というブランドに親しみを感じてもらうような狙いがあると感じた。この店舗における商品の売り上げをビジネスの主力にするつもりはないのかもしれない。

photo Amazon.comの商品についてスタッフに直接相談する客も見受けられた
photo 店の出入り口には、店に対する評価をフィードバックできるシンプルな機械も

 Amazon.comは無人店舗「Amazon Go」や、書籍だけを取り扱う「Amazon Books」など、リアル店舗に力を入れている。Amazon 4-starもオープンから1カ月しかたっていないが、今後の動向に期待したい。

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