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» 2018年11月26日 13時57分 公開

体当たりッ!スマート家電事始め:ソニーの新規事業創出プログラムは“次のフェーズ”へ 社外連携に本気 (1/2)

ソニーの新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」が始動して4年半が経過した。平井体制から吉田体制への転換は今後の方針に影響するのか。SAPを立ち上げたソニーの小田島伸至氏に聞いた。

[山本敦,ITmedia]

 ソニーの新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」(通称:SAP、サップ)が始動して4年半が経過した。スマートウォッチの「wena wrist」(ウェナ・リスト)やスマートトイの「toio」(トイオ)、マルチリモコン「HUIS」(ハウス)などユニークな商品を生み出してきたSAPは、吉田新体制の下でどうなるのか。SAPを立ち上げたソニーの小田島伸至氏に今後の展望を聞いた。

SAPの代表を務めるソニー、Startup Acceleration部門 副部門長 Startup Acceleration部 統括部長 Open Innovation&Collaboration部 統括部長 小田島伸至氏

 SAPはこれまで、ソニーの社内で新しい事業を立ち上げたいと考える個人やグループのビジネス化を支援するプラットフォームとして機能してきた。ソニーの既存事業に縛られない、新しいビジネスカテゴリーのアイデアを従来よりも速いスピード感で、将来のソニーを支える事業に育てることがプロジェクトの目的だ。

ソニーの「ロボット×遊び」のコンセプトが生んだトイ・プラットフォーム「toio」(トイオ)

 ソニー品川本社の一角には2014年に開設されたオープンなワークスペース&コミュニケーションの場である「Creative Lounge」がある。ここを起点として、18年11月までに立ち上がった事業の数は13件。オーディションと呼ばれるアイデアの募集・審査が計13回行われ、述べ約700件、約2000人の応募を勝ち抜いた13件の中にはwena wristやFES Watchなどのプロダクトだけでなく、体験型映像ダウンロードアプリ「PROJECT REVIEWN」や自動動画撮影システム「isuca」、ソニー不動産などのサービスもある。

ソニー本社ビル1階にSAPの「Creative Lounge」がある。レーザーカッターや3Dプリンター、UVプリンターなどのデジタル機材をそろえ、社内外のアイデアマンを迎える

 また社外との連携によって誕生したスマートロック「Qrio」や、欧州で16年4月にスタートしたSAP Europeの事業第1号であるB2B向けの会議室管理システム「Nimway」など広がりも出てきた。

 小田島氏は、これまでの4年半は「社内でSAPのフレームワークを強固に形作ることに力を傾けてきた」と振り返る。例えばSAPの部署内には、ものづくりや事業開発の分野で豊富な経験と専門知識を持つ「加速支援者」と呼ばれるプロフェッショナル集団がいる。これまでにSAPを巣立っていった事業に対しても、立ち上がりの当初はバーチャルな事業部として機能しながら足元をしっかりと支えてきた。

「加速支援者」たち
クラウドファンディングとECのサービスを兼ね備えるサイト「First Flight」も15年7月に開設された

 また、SAPの活動をソニーの社外にも広げるための取り組みにも平行して道筋が作られていた。例えばクラウドファンディングとECのサービスを兼ね備えるサイト「First Flight」の開設や、16年5月からスタートしている社外のスタートアップを対象としたオーディション「Sony-Startup Switch」などもその一環といえる。

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