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ある日突然「AI担当」になったら何をすべきか プロジェクトを成功させる”データ準備”のコツきょうから始めるAI活用(1/4 ページ)

» 2018年12月04日 08時00分 公開
[小林啓倫ITmedia]

 皆さんご存じの通り、世界中で自社製品やサービスにAI(人工知能)を取り入れようという動きが起こっている。実際に多くの企業で導入が始まっているが、前回の記事で解説したように、「AIを使ったビジネス上の効果を思ったように得られていない」と考える企業も少なくない。

 米国の調査会社Gartnerのように、今後はAIに対する過剰な期待がはじけ「幻滅期に突入する」と予測をする向きもある。

 晴れて「AI導入担当」という肩書を手にした人も、周囲から期待されていることはうれしいと思いつつも、「期待に応えられなかったらどうしよう」「本当にAIを使って成果を出せるのか」と一抹の不安を感じているのではないだろうか。

 もちろんAIを実現する技術は見掛け倒しではないし、投資に見合うだけの効果を実現している企業も存在する。それでは、あなたが参加したAI導入プロジェクトが「成功した」という評価を勝ち取るためには、何に注意しなければいけないのだろうか。

AI 画像はイメージ

 前回の記事では、まずは「AIを使って何を目指すのか」を考えることが重要と述べた。それがないのは、ゴール地点を決めないままAIと二人三脚を始めるようなもの。いつまでたってもユーザーから評価してもらえなかったり、到達不可能な場所まで走らされそうになったり、やっと到達したと思ったら本当のゴールが全く別の場所にあると教えられたり――これではAIに限らず、どんな技術であってもプロジェクトを成功させることなどできない。

 では、目標設定の次に取り掛かるべきことは何か。今回はAI導入前の準備に目を向け「AIを使うために必要なデータの準備方法」について解説したい。

連載:きょうから始めるAI活用

上司から突然「ウチでもAIをやるぞ」とむちゃぶりされたものの、どうやって自社でAI(人工知能)を使えばいいか分からない。そんなAI初心者のビジネスパーソン向けに、企業のAI活用や導入のイロハについて分かりやすく解説する連載です(全4回予定)。

AIが活躍するには「データの準備」が必須

 今回の本題に入るため、対応すべき課題が明確にされ、それに対して現実的な目標を設定できたと仮定しよう。ゴールが決まればあとは走るだけだが、一緒に走るAIを用意するためには、「適切なデータを十分に確保していること」が大前提となる。

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