1月16日から開催中の「第3回 ロボデックス」(東京ビッグサイト)でひときわにぎわっていたのが、今回初出展のデンソーウェーブ(愛知県知多郡)のブースだ。製造、医薬品の研究・開発、教育などの現場を想定し、35台の協働ロボット「COBOTTA」(コボッタ)を使ったデモンストレーションをそれぞれ披露している。
展示会場では、持ち運べるノート型のホワイトボードである「バタフライボード」の生産ラインへの適用事例を初公開。これまで人の手作業で組み立てていたバタフライボードの生産ラインにCOBOTTAを取り入れ、作業を自動化した。
バタフライボードの担当者は「これまでスタッフが手作業で行っていた作業の一部を自動化できた。大きい会社ではないので、需要に応じて人員を増加するなどの対応が難しく、ロボットなら柔軟に対応できるのがありがたい」と話す。
ハードウェアを量産するには、「大型の生産設備を導入して安く大量に生産する」「付加価値のある商品を手作業で少量生産する」といった方法があるが、ベンチャー企業にとってはコスト面や人員面でどちらも対応が難しかった。
バタフライボードの担当者は「協働ロボットがいれば、これまで難しかった多品種・適量生産も可能になるだろう。AI(人工知能)に作業工程を学習させることでその可能性が広がる」と説明する。
AIを活用した例では、ロボットがブロックを持ち運んでミニカーを完成させるデモンストレーションを公開。AIがカメラの画像からブロックを認識し、あらかじめ設定された順序でミニカーを組み立てた。AIは事前に作業工程を学習しているため「ブロックを置く場所を変える」「ロボットがつかんだブロックを人が取り上げる」といったイレギュラーな行為にも柔軟に対応できる。
同デモのAIを開発したエクサウィザーズ(東京都港区)の担当者は「事前に1つ1つの行動をプログラムとして組み込んでいるだけでなく、人間の指示も随時学習できる。イレギュラーなことが起こっても、AIが判断し、行動していくのが特徴だ」と説明。工場の生産ラインだけでなく、事務作業など非定型業務への応用も考えられるという。
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