マンガファンによるマンガファンのための投稿サイト「アル」(スマートフォン向け)が1月22日に一般公開された。ファンがマンガの見どころを投稿したり、新刊情報を確認したり、出版社などが無料で公開しているマンガを検索・閲覧できる。無料マンガの“合法リンク集”として話題を集めた「漫画ビレッジ」をリブランディングしてオープンした。
また、気になるマンガの単行本発売情報を受け取れるiOSアプリ「アル」も公開された。
「自分が欲しかったサービスを、マンガファンと一緒に作っていきたい」。アルを運営しているのは、レンタル掲示板「したらば」(2004年、当時のライブドアに売却)やハウツーサイト「nanapi」(14年、KDDIに売却)を立ち上げた起業家として知られる、けんすう(@kensuu)こと古川健介さん(37)だ。
月に50〜100冊も読むほどのマンガ好きだが、「次に読むマンガがなかなか見つからない」「好きな作品の新刊がいつの間にか出ていて、買い逃してしまう」と悩んでおり、同じような悩みを持つマンガファンは多いと感じていた。
おすすめマンガ情報が集まるサイトがあれば、次に読みたいマンガがどんどん見つかるはず。マンガファンが新たな作品に出合えれば、マンガの売り上げが上がって市場がうるおい、さらに面白い作品が生まれるだろう――そう考えた古川さんは、私財を投じて「株式会社アル」を起業し、2000人以上のマンガファンを巻き込みながらサービスを開発している。
アルは、約1万5000件のマンガのデータベースを基に、作品の魅力を3行で紹介したり、無料で読める公式サイトのリンクを掲載したり、最新刊の発売日情報を提供したりしている。また、作品のファンが見どころや好きなコマ、そのマンガを読んだ人にオススメの他のマンガ情報を投稿し、作品への熱い思いを共有できる。
「マンガが好きな人だけでなく、マンガを作っている人たちにとって良い場にしたい」という思いが強く、ネガティブなレビューやネタバレ投稿は歓迎しない。投稿ガイドラインにも、「作者や作品への批判や中傷は、なしっ」「上から目線の批判よりも、たとえ文章や読み込みが稚拙だったとしても、おもしろい! と思った素直な気持ちの投稿のほうが、僕たちは読みたいです」などと書かれている。
「マンガの魅力を文字だけで表現するのは難しい」と考え、好きなコマの写真を投稿できる機能も付けた。出版社経由で作者に許諾を取り、許諾が得られた作品のみ対応している。
作品ごとに、最新刊の発売日もチェックできる。次の巻の発売日が未発表の作品でも、過去のデータを基に発売日を予想するアルゴリズムを開発。発売予想日を掲載している。
マンガの発売日を通知する機能は、iOSアプリに切り出して提供している。好きな作品を登録しておくと、新刊情報が届くほか、Gmailと連携させれば、メールで届いたAmazon.co.jpの購入情報から過去に購入したマンガが抽出され、そのマンガの新刊発売日の通知を受け取れる。
これまで数々のWebサービスを送り出してきた古川さんが、なぜ今、マンガなのか。
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