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読みたいマンガがそこにある ファンの熱量で作る投稿サイト「アル」公開 漫画村に心痛めたけんすう氏が開発(3/3 ページ)

» 2019年01月22日 16時01分 公開
[岡田有花ITmedia]
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 「1人で作るより、みんなで作る方がエンタメとしても楽しいはず」という思いもある。「サービスを作る過程もユーザーに参加してもらうと、マンガの続き買ってるみたいな感じで、楽しんでもらえるかなと」。自らの挑戦や失敗も含めて丸ごとコンテンツ化し、人気を集めているキングコング・西野亮廣さんのサロンのように、新サービスの挑戦や失敗も含めて丸ごと“物語”として楽しんでもらいたいという思いがある。

 サロンの参加者は30代が多いという。「10代はあんまりマンガを読まなくなっている」と実感しており、マンガの将来に危機感を覚えている。

「自己資産を突っ込んで、溶かし続けている」

 アルはまだまだ開発途上。テキスト中心の現在の姿ではマンガの魅力が伝わりづらいと感じており、あるべき姿を探していくという。

 「マンガの読後感をアイコン画像を選んで投稿したりとか、面白いコマを集めて、スワイプするとTikTokみたいにどんどん表示されたりとか、マンガの面白さをみんなで話すYouTube番組を作るとか……いろいろ試したい。どんな姿が最終形か、まだ回答はないです」

 サービスからの収益は現状ゼロだ。まずは、サイトのリンクからAmazonを訪れてマンガを購入した際にキックバックが得られるアフィリエイト機能で収益を得たいと考えているが、「Amazonアフィリエイトの審査が通らない」という。「自己資産を突っ込んで、溶かし続けている。バカですよ(笑)」

画像 アルを開発している起業家の古川さん。アルのサイトについて「いま流行りのCGMですね。Web2.0時代から進化が見えないサービス設計です」と笑う

 ビジネスアイデアはある。「マンガ好きな人から月1000円払ってもらえるサービスにしたい」と考えており、例えば、1カ月に1回、新作マンガが3冊送られてくるサービスなどを検討している。

 数年後には、出版社を横断したマンガの読み放題サービスが登場するだろうと予想している。その時に、何を読めばいいかの指針になるサイトにしていきたいという。「海外の人がマンガを読まないのはもったいない。世界中の人がマンガを楽しめるようにしたい」と、海外展開も展望する。

 古川さんは最近、「マンガを読むのに忙しくて、マンガが読めてない」と笑う。「アルに載せるためのマンガをたくさん読んでて、それがまた面白くてさ。いかにこれまでマンガを知らなかったか、ですよ!」

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