メルカリ子会社のメルペイは2月20日、実店舗でも使えるスマートフォン決済サービス「メルペイ」の事業構想を明らかにした。「メルカリ」アプリ内で使えるサービスとして、メルカリが持つユーザー基盤やデータを活用する他、他のコード決済事業者とも積極的に連携を進める。その狙いは、中立的な決済インフラの構築だ。
同社の青柳直樹代表取締役は、メルペイの強みとしてメルカリとの連携を挙げる。月間1200万人以上のアクティブユーザーに対し、保有する売上金が他でも使えるメリットを訴求することで、メルペイの利用を促す計画だ。これまで売上金をメルカリ以外で使うためには、一度現金化する必要があったが、メルペイならその手間がなくなる。
メルカリを使っていない新規ユーザーに対しては、メルペイのチャージが銀行口座から手数料無料で行えたり、コード決済だけでなく非接触決済「iD」が使えたりする点をアピールしていくとしている。
現在はiOS版のみがiDに対応しているが、2月末から3月初旬にはAndroid版も対応する予定。3月中旬にはコード決済も始める。
今春には他社サービスとの連携も進める。JCBのコード決済基盤「Smart Code」や、KDDIのコード決済サービス「au Pay」に対応する店舗でメルペイを使えるようにするなど、各社とパートナーシップを結んでいる。
一方、店舗にはメルペイが低コストで導入できる点を強調。初期導入費用や固定費を0円、決済手数料を永続的に1.5%にする他、メルカリが持つユーザーデータを加盟店がマーケティングに使えるようにするという。
「加盟店やパートナー企業とオープンなエコシステムを作り上げていきたい。まずはキャッシュレス決済としてメルペイを『日常的に使える決済サービス』にすることを目指す」(青柳代表)
現在、国内のコード決済サービスは「○○ペイ」の乱立状態。支払額の一部をポイントで還元するキャンペーンを打ち出す企業も増えている。しかし、メルペイでは「(還元キャンペーンを)検討する可能性はあるが、現時点で実施予定はない」(青柳代表)という。
「ポイントのばらまきだけで終わってしまうのは、日本のキャッシュレス決済のワーストシナリオではないか。決済事業者とのパートナーシップでキャッシュレス決済を加速し、中立的な決済インフラを作りたい」(青柳代表)
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