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スマート化でネガティブ吹っ飛ぶオートバイ、水面下で人気上昇中スマートモビリティーで激変する乗り物と移動のかたち(2/3 ページ)

» 2019年02月26日 07時00分 公開
[野間恒毅ITmedia]

モトブログブームでオートバイ購入

 「若者のオートバイ離れ」が叫ばれて久しいが、こうした背景の中でにわかに注目を浴びているのがモトブログである。いわゆるビデオブロガー(Vlogger、ブイロガー)のオートバイ版で、moto + vlogでmotovlog、モトブログと呼ばれている。

 これまでオートバイといえばレーシング志向でスピード、タイムを追及することが多く、オートバイに対する性能や知識が重要だったがそれはもう昔の話。メーカーや排気量、性能を問わず、むしろデザインとコスパが重要で、モトブログのテーマも行き先や体験が中心となり、試乗インプレッションといったものは余り人気がない。逆に楽しそうなモトブログをしたいから二輪免許を取得し、オートバイを購入するケースも見受けられるほどだ。

 自動車に比べれば圧倒的に費用が安く、手が届きやすいというのが背景にあるのだろう。

ETCとスマホ

 二輪なんて寒くて、不便で、面倒だと思われる人も多いだろう。しかしそれもスマート化のおかげで、今は昔。

 ETCを装着すれば料金所で面倒な支払いをする必要もなくなり、スマホを取り付けてナビアプリを起動すればいちいち止まって地図を開く必要もない。もちろん音声はヘルメットに内蔵したBluetoothのヘッドセットで聞こえるし、音楽も再生でき、インカムがあればグループツーリングでもおしゃべりしながら移動できる。寒い冬でも電熱系装備が充実、リチウムイオンバッテリーで駆動する電熱ダウンジャケットを内側に着こめばどんなオートバイに乗ってもホカホカだ。

消えていく既存車種と復活する名車

 実はオートバイの車種自体も以前とはかなり様相が変わってきている。特に環境に配慮し、排ガス規制が強まったことから2000年代に徐々に2ストエンジンは廃止され、今では販売されていない。また4ストであっても排気ガス規制に合わない車種は生産終了するケースも多く、絶版車種は中古市場でしか購入できないということもある。

 しかしこういったオートバイ人気を受けて、一部の名車は復活の兆しを見せている。

 たとえば一旦は生産中止となったホンダモンキー50は125ccとなって復活。

photo モンキー125

 また、当時斬新なデザインで一世を風靡したスズキ・カタナは新しいデザインをまとって近日復活予定である。

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